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カイロプラクティックは面白い!

2015年11月 11日更新

第41次 : 五感 - 視覚 ~前編~

Information Flow from Retina to Visual Cortex (画像出典元

視覚とは、光が眼球を通り、眼底にある視神経のセンサーによって感知され、この信号が視神経から脳内に伝わり、視覚中枢に辿り着いた時に起こる感覚です。

人間は赤外線や紫外線などを見ることができません。人間に感知可能な光を可視光線と言いますが、これは光の波長では、400nmから700nmくらいです。この波長が視覚に入った時に色の違いを生みます。さらに光の強さ(アンプリチュード)が、光の明るさや強さとして感じられるのです。

まず、光が人の眼球に届くと、最初に眼球の一番外側の強膜(Sclera)という部分に到達します。この強膜は、人の眼球の白く見える部分で、この膜が眼球の形を丸く保っているのです。また目を動かして焦点を合わせる筋肉は強膜についています。そして光は強膜のすぐ前方にある角膜(Cornea)から眼球に入り、レンズを通ってここで光が曲げられて網膜(Retina)に焦点を合わせ、ハッキリした映像として感じられます。強膜は眼球の約85%を覆い、光の入る眼球の前方約15%は角膜によって覆われています。

角膜は血管を持っていないので、栄養素などの補給はレンズの前にあるアンテリアチェンバー(Anterior Chamber)にある体液から行なわれています。ここの体液は2時間で完全に新しくなるように循環しています。

Pathways to Superior Colliculus (画像出典元

またレンズの前に、目に入る光量を調節するために瞳孔(Pupil)があり、近くを見る時やまぶしい時は瞳孔(Pupil)は小さくなり、暗いところでは瞳孔は大きく開き、光を多く取り入れて、物が見えるようにしています。

そしてレンズは厚さを変えることによって、焦点を合わせハッキリした像を見ることができます。つまり近くのものを見るときレンズは厚くなり、遠くの物を見る時はレンズは薄くなり焦点を合わせるのです。

レンズの後ろには、水晶体というゼリーのような液体が丸い眼球の形を整えるためにあります。その一番奥には網膜があり、このなかには光を感知するロッズ(Rods)とコーン(Cones)と呼ばれる感覚器があります。この感覚器を光が刺激をすることで、光の信号を電気信号に変化させて脳内に伝えていきます。

ロッズとコーンには機能の違いがあり分布している部分も違います。コーンは字を読むなど詳細を正確に見なくてはならない時に働くほか、色もこれで感知します。一方ロッズは、物の動きを感知する時に働きます。これは色を感知できないので、物は白黒に見えることになります。

コーンはフォビア(Fovea)と呼ばれる直径1.5mmの部分に集中して存在しています。つまり本を読んだりするときにはこのフォビアに焦点を合わせなければ字はボケてしまい読めなくなってしまいます。故に、近くで文字を読む時には眼球が少し内側に寄っていき、フォビアに焦点が合うようになります。この眼球の微調整をするのが、眼球に付いている6つの眼球運動筋(Oculomotor muscles)です。フォビアにはもう一つのロッズはほとんど存在しません。フォビアから離れれば離れるほどコーンの数は少なくなり、ロッズの数が反対に多くなります。

コーンとロッズを刺激した光は、電気信号に変換され、視神経から眼球を出ることになります。その視神経の出口は光を感じる感覚器がないのです。そのため、人間の目には「盲点」という見えていると思っていても、本当はここには感覚器がないので見えない部分ができるのですが、視覚中枢が意図的にギャップを埋めて、全て見えているようにコントロールをしています。

網膜の鼻側(内側)の感覚器を刺激した光の情報は、視神経でクロスして反対の脳へ送られます。網膜の外側の感覚器を刺激した光はそのまま同じ側の脳へ情報を送ります。

つまり、もし右目に光が当たったとしたら、内側の網膜に当たった光は左脳へ、外側の網膜に当たった光は右脳は信号を送ることになります。視覚中枢に届いた光は、この半分ずつの像を組み立てて全体像を作り上げます。視覚中枢は大脳の一番後ろに位置しています。

視覚機能を調べることは、私たち機能神経科のカイロプラクターにとって、脳の機能を調べる上でとても大切です。

また光の通る道はとても長く、多くのパーツを経ていくので、これらのパーツに問題が出ると、それぞれいろいろな問題を起こすことになります。この問題は後編でお話したいと思います。

2015年11月 11日更新

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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