Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C. Hiro Sugawara, D.C.

Recent

Vol.146 : update
「卵アレルギー」。タンパク質の種類によって対策も変わる

Back Issues

Vol.1 : 
カイロプラクティックとは
Vol.2 : 
成長のマイルストーン
Vol.3 : 
右脳と左脳
Vol.4 : 
脳の働き
Vol.5 : 
脳の好き嫌いと機能低下したときの状態
Vol.6 : 
成長障害に対する機能神経科カイロプラクティックの治療法
Vol.7 : 
ストレスって何?
Vol.8 : 
自閉症スペクトラム障害
Vol.9 : 
注意欠陥多動性障害 (Attention Deficit Hyperactivity Disorder, ADHD)
Vol.10 : 
学習障害 (Learning Disability)
Vol.11 : 
強迫反応障害 (OCD Obsessive Compulsive Disorder)
Vol.12 : 
バランス感覚障害
Vol.13 : 
めまい(Dizziness, Vertigo)
Vol.14 : 
てんかんと痙攣発作症状 (Epilepsy and Seizure)
Vol.15 : 
脳震とう (Concussion) とスポーツ、セコンドインパクト症候群 (Second Impact Syndrome)
Vol.16 : 
慢性疲労症候群 (Chronic Fatigue Syndrome, CFS)
Vol.17 : 
脳性まひ
Vol.18 : 
持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (前編)
Vol.19 : 
持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (後編)
Vol.20 : 
身体の成長 - 特に粗大な運動機能 (Gross Motor Skill) について
Vol.21 : 
身体の成長 - 繊細な運動機能 (Fine Motor Skill)
Vol.22 : 
身体の成長 - 言語 (Language) と話し方 (Speech)
Vol.23 : 
身体の成長 - 認識力 (Cognitive) と感覚 (Sensory)
Vol.24 : 
身体の成長 - 社会性 (Social) と感情 (Emotional)
Vol.25 : 
身体の成長 - 知能の成長
Vol.26 : 
身体の成長 - 聴力
Vol.27 : 
身体の成長 - 読解力 (Reading)
Vol.28 : 
身体の成長 - 免疫機能 (Immune System)
Vol.29 : 
身体の成長 - 知能指数(IQ, Intelligence Quotient)と感情指数(EQ Emotional Intelligence)
Vol.30 : 
身体の成長 - ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-Eye Coordination)
Vol.31 : 
身体の成長 - コーディネーション発達障害 (Developmental Coordination Disorder)
Vol.32 : 
身体、精神の成長 - 選択性緘黙症(Selective Mutism セレクティブミューティズム)
Vol.33 : 
身体と精神の成長 - トゥレット症(Tourette Syndrome)
Vol.34 : 
身体と精神の成長 - アスパーガー症(Asperger Syndrome)
Vol.35 : 
身体精神の成長 - 広範囲の成長障害(PDD-NOS, Pervasive Development Disorder- Not Otherwise Specified)
Vol.36 : 
身体、精神の成長 - 小児崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder)またはヘラー症候群(Heller's Syndrome)
Vol.37 : 
身体と精神の成長 - 聴覚解析障害(Auditory Processing Disorder, APD)
Vol.38 : 
五感 - 嗅覚と味覚
Vol.39 : 
五感 - 味覚
Vol.40 : 
五感 - 聴覚(Auditory System)
Vol.41 : 
五感 - 視覚 ~前編~
Vol.42 : 
五感 - 視覚 ~後編~
Vol.43 : 
五感:触覚 ①痛みと温度感覚
Vol.44 : 
五感:触覚 ②大雑把な触覚(Crude touch)、繊細な触覚(Fine touch)、振動(Vibration)、体の部分の位置感覚(Joint position)
Vol.45 : 
脳神経(Cranial Nerve)Cranial Nerve #1(CN 1)嗅覚神経(Olfactory Nerve)
Vol.46 : 
脳神経:第2番 視神経(Optic Nerve)
Vol.47 : 
脳神経 第3番 眼動神経(Oculomotor Nerve, CN 3)
Vol.48 : 
偏頭痛やむち打ちが原因で、物が二重に見える?
Vol.49 : 
顔を触るだけで痛い? それ三叉神経異常かも?
Vol.50 : 
味覚や聴力障害も引き起こす「顔面麻痺」
Vol.51 : 
立っていられない!耳鳴りがする!バランスと聴力を支配する 脳神経8番 内耳神経(Vestibulocochlear Nerve)
Vol.52 : 
”オエッ”とえずくのは健康な証拠!? 脳神経第9番 舌咽神経(Glossopharyngeal Nerve)
Vol.53 : 
”放浪”しながら、カラダとココロを休める脳神経第10番 迷走神経(Vagus Nerve)
Vol.54 : 
四十肩? その痛み脊髄副神経が原因かも!?脳神経第11番 脊髄副神経(Spinal Accessary Nerve)
Vol.55 : 
言語や嚥下(えんげ)などを司る脳神経第12番:舌下神経(Hypoglossal Nerve)
Vol.56 : 
戦う。逃げる。人類を繁栄させてきた~自律神経「交感神経」~
Vol.57 : 
休む。消化する。体をリラックスさせる~自律神経「副交感神経」~
Vol.58 : 
神経性膀胱症(Neurogenic Bladder)
Vol.59 : 
脚の脱力感や痺れにご用心!末梢神経~大腿神経(Femoral Nerve)~
Vol.60 : 
お尻や脚に鋭い痛みが走る!つらい「坐骨神経痛」
Vol.61 : 
息を吸うだけでイタタタタ!肋間筋肉・神経痛
Vol.62 : 
スポーツマンもオフィスワーカーも要注意!首、肩、腕の神経を圧迫する「腕神経叢(わんしんけいそう)」
Vol.63 : 
指や手首を反らせることができない! 撓骨(とうこつ)神経障害
Vol.64 : 
肩の痺れや脱力感を感じたら!腋窩(えきか)神経の損傷かも?
Vol.65 : 
過度な筋トレにご注意! 肘や前腕をコントロールする筋皮神経
Vol.66 : 
手が“ハサミ”のように変形する?尺骨神経の損傷
Vol.67 : 
正中神経が引き起こす「指」「腕」「肩」の痺れにご注意
Vol.68 : 
“まぶたのぴくぴく” から冠状動脈痙攣まで。筋肉の痙攣
Vol.69 : 
糖質制限する前に知っておきたい!GIとGLの違いとは
Vol.70 : 
テレビゲームでも乗り物酔いが起こる!?
Vol.71 : 
アメリカの健康保険について
Vol.72 : 
交通事故の治療に不可欠な「自動車保険」について
Vol.73 : 
子どもに多い斜視。脳の成長とともに解消することも。
Vol.74 : 
寝違えも「斜頸」のひとつ!異変を感じたら早めの診察を。
Vol.75 : 
旨みの素!MSGの隠れた問題とは
Vol.76 : 
百害あって一利なし!人工トランス脂肪酸
Vol.77 : 
グルテンが引き起こすさまざまな病気
Vol.78 : 
ガムでお馴染み。キシリトールのメリット・デメリット
Vol.79 : 
肩がポキポキと鳴る?それ関節炎かも。
Vol.80 : 
悪化すると歩行困難に!股関節の関節炎
Vol.81 : 
40%は遺伝が原因?「関節変形性乾癬(かんせん)」
Vol.82 : 
12時間痛みが続くことも!痛風とは
Vol.83 : 
腰痛から目の疾患まで引き起こす「強直性関節炎」とは?
Vol.84 : 
感染症のあとに併発する「反応性関節炎」とは?
Vol.85 : 
生後6カ月を過ぎた“モロ反射”の弊害とは?
Vol.86 : 
大人に悪影響を及ぼす“強直性迷路反射”とは?
Vol.87 : 
「はいはい期」まで残っていたら注意!「非対称強直性頸反射」
Vol.88 : 
リューマチと並び、最も多い「変形性関節炎」とは
Vol.89 : 
女性患者は男性の2~3倍!リューマチ性関節炎
Vol.90 : 
16歳以下の子どもがかかるリューマチ病
Vol.91 : 
バクテリアで発症!敗血症性関節炎
Vol.92 : 
手や足のちくちく感に要注意!
Vol.93 : 
24時間営業!身体の解毒作用とは
Vol.94 : 
気になる“まぶた”のピクピク!ほかの病気の兆候かも?
Vol.95 : 
ウイルスやガンと闘う!免疫機能
Vol.96 : 
骨の成長や骨密度維持に欠かせない!「カルシウム」
Vol.97 : 
野菜をたっぷり摂って、カリウム不足解消!
Vol.98 : 
体に不可欠なミネラル。成長や細胞修理を促す「リン」とは
Vol.99 : 
体に不可欠なミネラル2。解毒作用や代謝を促す「イオウ」とは
Vol.100 : 
高齢者の認識機能維持にも有効な「鉄分」
Vol.101 : 
甲状腺ホルモンを作るミネラル。「ヨウ素」の摂取量や欠乏症状は?
Vol.102 : 
風邪の治りが3割も早くなる!? 必須ミネラル「亜鉛」とは
Vol.103 : 
体を形成する「マグネシウム」。食生活によっては不足する場合も!
Vol.104 : 
脳機能向上や心臓病予防に効果!「セレニウム」とは
Vol.105 : 
インシュリン機能を高める「クロム」とは
Vol.106 : 
必須アミノ酸①「記憶や学習に関与するフェニールアラニン」
Vol.107 : 
必須アミノ酸②「アスリートの強い味方。筋肉の代謝や回復を調整するバリン」
Vol.108 : 
必須アミノ酸③「美容に欠かせない!コラーゲンの素を生成するスレオニン」
Vol.109 : 
必須アミノ酸④「快感ホルモン“セラトニン”を作るトリプトファン」
Vol.110 : 
必須アミノ酸⑤ 抗酸化作用や代謝促進など、マルチに活躍する物質「メサイオニン」
Vol.111 : 
必須アミノ酸⑥質の良い筋肉を作る「リューシン」
Vol.112 : 
必須アミノ酸⑦筋肉の疲労回復やアンモニアを解毒する「アイソリューシン」
Vol.113 : 
必須アミノ酸⑧ケガや術後の回復をサポートするライシン
Vol.114 : 
必須アミノ酸⑨貧血や関節痛に効果のある「ヒスティディン」
Vol.115 : 
一度発症すると再発の可能性大!「口唇ヘルペス」
Vol.116 : 
「セサモイド」:腱の中にできるゴマ粒上の小さな骨
Vol.117 : 
セサモイドの炎症
Vol.118 : 
セサモイド骨最大級!「パテラ」とは
Vol.119 : 
「O脚」の原因や症状、治療法について
Vol.120 : 
「X脚」の原因や症状、治療法について
Vol.121 : 
心臓病や卒中の原因に!高コレステロールについて
Vol.122 : 
“サイレントキラー” 高血圧とは
Vol.123 : 
脚のしびれや排尿問題を引き起こす「馬尾症候群」
Vol.124 : 
「リーキーガット症候群」とは
Vol.125 : 
最大ゴルフボール級に!「腎臓結石」とは
Vol.126 : 
女性の罹患率は男性の2倍!「胆のう結石」とは?
Vol.127 : 
昼間の異常な眠気は病気かも?「睡眠発作」とは
Vol.128 : 
疲労感や気分の浮き沈みの原因に。「睡眠無呼吸症」とは
Vol.129 : 
髪の毛をとかす時に肩が痛い…。「ローテーター・カフ筋肉痛症候群」とは
Vol.130 : 
スマホやコンピューターも原因に。「アッパークロス症候群」
Vol.131 : 
長時間の座り仕事には要注意!ローワークロス症候群とは
Vol.132 : 
運動後に頭が痛くなる人必読!「エクササイズ頭痛」とは
Vol.133 : 
歩行に障害が出ることも。気になる「浮腫」
Vol.134 : 
足をひきずるように歩く。それ「フットドロップ」かも?
Vol.135 : 
女性に多い「ドライアイ」。妊娠や閉経で症状が出ることも
Vol.136 : 
虫歯や歯周病の原因にも。「ドライマウス」に注意!
Vol.137 : 
脳や脊髄が原因で起こると危険!「咳頭痛とは」
Vol.138 : 
その偏頭痛、実は「副鼻腔頭痛」の可能性も!
Vol.139 : 
げっぷやおなら。痛みがある場合は要注意!
Vol.140 : 
胸やけが1週間続いたら、診察を
Vol.141 : 
無痛分娩が原因? 「脊椎頭痛」とは
Vol.142 : 
あなどるなかれ。「しゃっくり」の危険因子
Vol.143 : 
まるでカミナリ!一瞬で起こる激しい頭痛とは
Vol.144 : 
子どもの病気トップ5に入る「頭痛」
Vol.145 : 
子どもの「つま先歩き」。2歳以降は注意を!
Vol.146 : 
「卵アレルギー」。タンパク質の種類によって対策も変わる

カイロプラクティックは面白い!

カイロプラクティックはとても面白い、皆さんへお伝えしたいその不思議と魅力

Updated on 2013/11/ 25

Vol.18 : 持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (前編)

“原始反射の持続” は、今までいろいろな研究により 『振る舞い障害 (Behavioral disorder) 』 や成長のマイルストーンの遅れと関係があると言われています。

さらにこの原始反射が原因で、不器用さ、動作の不調和、変な姿勢、異常な歩き方などのような 『動作運動障害』 が起こるとされています (動作運動障害は多くの認識障害のもとになっていると言われています)。 『自閉症 (Autism)』 『ADHD』 『学習障害 (Dyslexia)』 など、ほとんどの脳・神経の発達障害症は、上記のような動作運動障害、認識障害や遅れ、そして原始反射の持続が関係しているということです。

つまり原始反射の持続が、脳・神経の発達障害症の早期の症状として現れるため、何もしないでおくと自閉症 (Autism)、ADHDや他の発達障害に進んでしまうことになります。

脳の発達と原始反射の関係

新生児の頭蓋骨のサイズは大人の4分の1で、脳は約370g。 それが3才で3倍の1,080gになり、6才から14才で1,350gになります。 また頭蓋骨のサイズは、2才で大人の75%、10才で95%まで発達します。 その後、脳の機能の発達は思春期まで続きますが、この脳の発達を促すには、子供たちが動く事によって環境と反応・競合して脳細胞を刺激することです。

新生児には生まれたばかりのときは筋肉の力がありませんが、出生時に備わっている原始反射により、反射で自動的な動きを起こして、筋肉の強化と生き残るために必要な基本動作を学びます。 原始反射は基本的な動作により環境と反応・競合することで、感覚器を成長させて環境の情報を脳にフィードバックし、大脳の前頭葉を刺激し成長を促します。 前頭葉が発達すると原始反射は抑制され消えたようにみえますが、1年くらいこのようなことを続けて、それからもう少し高度な姿勢反射に取って代わることでより複雑な動きを学んでいくのです。

しかし何らかの理由で、前頭葉がダメージを受けたり機能不全が起こった場合は、抑制されていた原始反射がまた現れることがあります。 これを 『フロンタルリリースサイン (Frontal Release Sign) 』 と言います。 この原始反射の持続は自閉症、ADHDなどによく見られる症状と言えます。 前頭葉の発達の遅れ (原始反射の持続による) は、後々に起こる運動機能の遅れ (ハイハイ、歩きなど) に繋がります。

人間の脳の特徴として、ラテラライゼーション (Latararization) があります。 ラテラライゼーション (Latararization) とは、脳のある部分が発達するにつれて特定の機能に対して中枢としての役割を持っていくことです。 つまり特定な動作役割は脳のこの部分が中心となって働くようになること、さらに色々な中枢部分が協調する様になり、複雑な動きや作業が可能になっていきます。 ラテラライゼーション (Latararization) は年令と共に発達していくので、これは脳の成長の度合いを示す良い指標となります。 成長の遅れのある脳は、このラテラライゼーション (Latararization) がうまく働かず、脳の中枢としての役を果たしていないのです。

また右脳左脳は、交代で発達していくことがわかっています、生まれてから2~3年は右脳が先に大きく育ち、その後左脳が2~3年育つというように、右左と交代で成長していくことになります。 成長をしている最中に原始反射が続いていると、脳の各中枢同士の結びつきがうまく行われなくなり成長の遅れという結果になります。

原始反射の種類
1. モロ反射 (Moro Reflex)

子宮内9週目に現れ、出産時には完全に機能しています。 生後2ヶ月から4ヶ月目で抑制されます。

【モロ反射 (Moro Reflex) の引き金】
  1. 突然の出来事
  2. 頭部の位置の急激な変化
  3. 大きな騒音
  4. 光の急激な変化または急激に動く物体が視界を横切るなど
  5. 痛み、気温の変化、乱暴に扱われる
  6. モロ反射は唯一五感全てと深く関係しているので残っていると影響が大きい
【原始反射が残っているために起こる症状】
  • バランス感覚の狂い。例えば乗り物に酔いやすい、スポーツをしている時の体のコーディネションやバランス異常がある。
  • 目の運動異常。本来は一度焦点または注意を集中した時に、目の端に動くものを捕らえてもいちいちこれを追わないように大脳が抑制する事が出来るのですが、これが出来なくなります。これは集中力がないように周りからはみえます。
  • 瞳孔反射が鈍くなり、明るい光に対して過敏になり対応できなくなります。白い紙に黒いインクで印刷されたものを読むのが苦手になります。蛍光灯の下にて過ごすと疲れやすい子供になります。
  • 聴力が過敏になりすぎる。
  • 免疫能力が下がり、耳、鼻、のどの感染症にかかりやすくなる。
  • 薬物への過敏症を起こす。
  • スタミナがなくなる。
  • 環境の変化に対応できなくなる。
  • 現実離れをした不安感がある。
  • 刺激に対しての過剰反応、例えばムードスイング、筋肉が常に硬直しているなど。
  • 周期的な多動症その後に続く疲労がある。
  • 決断力の欠如
  • 自己評価の低下
2. 手掌把握反射 (Palmar Grasping Reflex)

子宮内11週目に現れ、出産時には完全に機能しています。 生後2ヶ月から3ヶ月で抑制されます。

【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 手先が不器用になる。
  • つまみ方が下手になるので鉛筆やペンの持ち方が不器用である。
  • 口の筋肉の成長が遅れるので話すことに支障が出る。
  • 手のひらの感覚過敏症がある。
  • 手で物を書いたり、動かしたりするときに口も一緒に動いてしまう。
  • 生後5ヶ月を過ぎても反射が残っていると、手先で細かい動作をする能力の発達が遅れてしまうため、後にきちんとしたペンの持ち方が出来なくなる、物を書く事に問題が出る。
  • 口先と手の筋肉の動きが連動してしまい話し方がおかしくなる。
3. 不対象強直性頚部反射 (Asymmetrical Tonic Neck Reflex)

生後18週目に現れ、出産時には完全に機能しています。 生後6ヶ月で抑制されます。
自閉症の子達に長い事残っている原始反射です。

【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 頭を左右に動かすと腕や肩の筋肉も反応してしまうのでバランスに問題が出る。
  • 歩行、マーチ、スキップをするときに同じ方の手足が出てしまう。
  • 目で物を追っていくとき体の中心を越せない。つまり物を追っていく際、右から左へいくことが中心点を越して出来ない。
  • 利き目、利き耳、利き手、利き脚が一定しなくなる。
  • アイデアを紙に書いて説明できない。字を書くことが苦手になる。
4. 哺乳反射、吸引反射 (Rooting and Suck Reflex)

子宮内24週から28週に現れ、出産時には完全に機能しています。 生後3から4ヶ月で抑制されます。

【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 唇の周り、口の過敏症がある。
  • 舌が口の前側に位置してしまうため、食べ物を噛むときや飲み込むときに不自由する。
  • しゃべり、発音に問題が出る。
  • 手が不器用になる。
5. スパイナルガラント反射 (Galant Reflex)

子宮内20週目に現れ、出産時には完全に機能しています。 生後3ヶ月から9ヶ月で抑制されます。

【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 落ち着きがなくなる。
  • おねしょをする。
  • 集中力がなくなる。
  • 短期の記憶力が落ちる。
  • 歩くときの股関節の動きがおかしくなる。
6. 緊張性迷路反射 (Tonic Labyrinthine Reflex)

出産時には完全に機能しています。 生後4ヶ月には抑制されます。

  • モロ反射と関係が強く、両方ともバランス感覚器が支配をしているので、この感覚器からの刺激、つまり頭や体のポジションの変化によって機能します。
  • 乳児が体を真っ直ぐにするサポートを行います。さらにバランス感覚を訓練します。
  • 頭の動きにより手足が反応してしまうので、ハイハイ等をしようとするときにうまく出来ない。
  • 空間に自分がどの様な状態でいるか、奥行きなどの感覚が悪くなる。
  • 研究によると、75%の学習障害の子供達にこの反射が残っているそうです。
  • この反射が消えないと、次に起こる正向反射 (Righting Reflex) の発達を妨げる事になります。
【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 姿勢が前かがみになる。
  • 筋肉の弱体化または反対に筋肉の過剰な緊張がある。
  • バランス感覚が悪い。乗り物に酔いやすい。
  • バランスに不安があるのでスポーツや体育の授業が嫌いである。
  • 目の動きに問題が出る。
  • 物事を順番にやってゆく事が苦手である。
  • 時間の感覚がおかしくなる。
  • つま先立ちで歩く。
  • 物事をまとめて考える事が苦手である。
7. 対象強直頚部反射 (Symmetrical Tonic Neck Reflex)

生後6ヶ月から9ヶ月で現れます。 生後9ヶ月から11ヶ月で抑制されます。

【原始反射が残っているために起こる症状】
  • 悪い姿勢、特に座ったとき前かがみになる。
  • 前かがみになりサルのように歩く。
  • 脚を外側にWのようにして座る。
  • 手と目のコーディネションが悪くものを食べるのが下手である。
  • 不器用である。
  • 目の焦点を調整する事がうまく出来ない、例えば授業中黒板を見てから直ぐ自分の手元を見ようとするとうまく焦点が合わなくなる。
  • 水泳が苦手である。
  • 座っていても注意力が散漫になる。
まとめ

原始反射とは、型にはまった自動的な動きです。 脳幹 (Brain Stem) により支配されていて起こる現象で、大脳は関係をしていません。 つまり考えなくても自動的におきる動きです。 原始反射はまだ筋力がない赤ちゃんが運動能力を訓練するため、また生きるために大事な能力を身につけるためにあるのです。 しかし原始反射は、いつまでも継続して存在するものではなく、ある一定期間で大脳の成長により抑制されてなくなるのが普通です。 もし原始反射が生後6ヶ月から12ヶ月になっても残っているようですと、中枢神経の成長不全が起こっている状態になっているということになります。

これらの原始反射が脳の成長と共に抑制されなくなっていくにつれ、次の成長段階である姿勢反射 (Postural Reflex) が現れてきます。 これについては次回に他の成長の過程と共にご説明します。

Updated on 2013/11/ 25

お問い合わせ、ご相談はこちらからお気軽にどうぞ。

Columnist's Profile

Chiropractic Functional NeurologistHiro Sugawara D.C.(Hiro Sugawara, D.C.)

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087
TEL:
408-738-0707

Please click here for more details about Hiro Sugawara, D.C..

Back Issues

BACK ISSUES