专栏

カイロプラクティックは面白い!

2014年12月 23日更新

第31次 : 身体の成長 - コーディネーション発達障害 (Developmental Coordination Disorder)

コーディネーション発達障害 (DCD:Developmental Coordination Disorder)とは、子供の発達障害の一つで、体全体の異常なコーディネーションの悪さと不器用さ、姿勢や動作の問題を特徴としており、日常生活や学校生活に不便・障害を引き起こします。

大体5から6%の就学年齢児童が、コーディネーション発達障害を抱えていると言われ、これにより以下のような問題が挙げられています。ちなみに男女の比率は2:1から5:1で、男の子が多くなります。

問題点
  • 物を持つことに問題を生じる。
  • 歩き方が不安定である。
  • 人とよくぶつかる。
  • 自分の足につまずく。
  • 不器用なため日常生活に支障が出る。

コーディネーション発達障害の子供は、運動機能の障害が日常および学校生活に支障をきたすことで、親や学校の先生などに発見されることが多く、一般的に5歳以降に診断されています。

DCDの診断基準
  • コーディネートされた運動機能や学習機能が年齢よりも低い。
  • 運動機能障害が著しく、日常生活、学校生活、職業訓練の妨げとなる。
  • 成長期の早い時期にDCD の兆候が現れ始める。
  • 運動のコーディネーション障害が、知能発達障害、視力障害などによるものと考えられない場合。

コーディネーション発達障害のみを発症することもありますが、他の症状(ADHD、学習障害、コミュニケーション障害、筆記表現障害などの障害)と併発することも多く見られます。

併発症・症状または様子
  • 集中力の障害。
  • 感情のコントロールがうまくいかない。
  • 記憶力障害のため、問題の説明が覚えられない。また問題がどうやったら解決できるのか覚えていない。
  • 関節が異常に柔らかい(Hyper mobile joint)。筋力が弱い。これらにより運動能力の低下を起こす。
  • 姿勢や動きにコントロールがない。
  • バランス、すばっしこい動きを要求されるアクティビティが得意ではない。例えばホッピング、スキップ、ジャングルジムを登るなど。
  • 洋服をうまく着ることが出来ない。特にボタンを留める、レース、紐などを結ぶ。
  • 組み立てのブロックおもちゃがうまくできない。
  • 同年齢の子供達よりも運動機能のコーディネーションに問題がある。
  • 不器用である。
  • お座り、這い這い、歩くことに遅れがある。
  • 生後1年くらいまでに吸引、嚥下がうまく出来ない。
  • 片足立ちが出来ない。
  • 運動機能とハンドアイコーディネーションがうまく機能しない。例えば文字を書く、はさみを使う、靴紐を結ぶなど。
  • 学習障害に進む可能性がある。
  • 運動がうまく出来ないので自己嫌悪に陥ることもある。
  • ケガを頻繁にする。
  • 自転車に乗れるようになるのが遅い。
  • 泳げるようになるのが遅い。
  • 体育の授業では他の子たちを同じように行動出来ずに遅れてしまう。
  • 運動がうまく出来ないので避けるようになり、その反動で肥満になる。
  • 簡単な日常生活で使う運動技能が習得できない。例えば靴紐が結べない、階段をうまく降りられない、年齢相応の自分のケアが出来ない。
  • 動きがぎこちない。
  • 物をよく落とす。よくつまずく。
  • 字がうまく書けない。また書いている時は非常に力を使って書く。
  • 字を書くのがとても遅い。
  • 箸、ナイフ、フォークがうまく使えない。
  • 運動などのアクティビティを避けたがる。
  • 新しい運動機能を学べない。
原因
インターナルプレゼンテーション

コーディネーション発達障害を起こす詳しい原因はよく分かってはいませんが、DCDの子供たちの脳が、なかでも新しい生活のための技能を学ぶ大脳の部分がうまく発達・機能していないという仮説が現在多く受け入れられています。その大脳の機能はインターナルレプレゼンテーション(内部描写Internal Representation)と呼ばれるものです。DCDの子供達は日常生活を行なう上で、必要なインターナルレプレゼンテーションの発達が遅れてしまい、未発達のまま成長をしてしまうのです。

インターナルレプレゼンテーションとは、脳の中にある設計図のようなもので、これは体中の感覚器(筋肉、関節、じん帯、視覚などの五感)から受け取った情報を、運動機能と連携して力加減や正確なタイミングを計るほか、筋肉の緊張弛緩の加減を調整するためのとても大切な機能です。DCD の子達はこのインターナルレプレゼンテーションをうまく作れないので、毎日行なっている日常生活の行為を習慣化し、色々な物事を有効に学べなくなっていきます。つまりいつもやっていることに対しても、何度も同じようにガイドしていかないと学べません。これは就学年齢になり学校生活を始めた時に多くの問題が生じることになります。

私たちの日常生活では、たくさんのインターナルレプレゼンテーションつまり設計図が必要不可欠です。例えば、プラスティックカップで水を飲もうとする時「手を伸ばしてカップを手に取る」「水を注ぎコップを持ち上げる」「コップを口元に持っていき水を飲む」という簡単な行為にも、たくさんの微妙な加減が必要になります。よく考えてみると、色々な調整がこの行為には必要だと分かります。まずは、カップがどこにあるかを正確に把握して、遠すぎず近すぎずに手を伸ばしてカップを掴まないといけません。そして適切な握力でカップを掴みます。弱すぎては落としてしまいますし、強すぎたら潰してしまいます。そしてカップを口元に持っていき、水を飲む際にも、水がどれ位入っているかによってカップを傾けるスピードを調節してから、ようやく水を飲むことが出来るのです。これがインターナルレプレゼンテーションという設計図の機能です。この行為を重ねて物事をうまくスムーズに行なえるようになっていきます。またコーディネーション発達障害の子達は、はさみで紙から円を切り取るというようなことがうまく出来ません。例えば、4才の子供が初めて紙に描かれた円を切り取ろうとした時、最初ははさみや紙をうまく持てないかないかもしれません。しかししばらく練習をしていると自信を持ってうまくはさみを使い円を切れるようになります。これもインターナルレプレゼンテーションです。

では、コーディネーション発達障害の子供達は学校でどのように過ごしているのでしょう。
ほとんどの学校の活動は運動機能が必要です。DCDの子供たちにとって、これらの学校の活動に参加をするには毎日多くの努力が必要になります。さらにその努力にもかかわらず、多くが不成功に終わってしまいます。例えば幼稚園(Preschool)では、色付け、塗り絵、紙から形を切り取る、紙に物を貼り付けるなどの運動機能が必要なアクティビティなどに問題が起こることが挙げられます。そして小学校では、黒板や白板に書かれた先生の文字をうまく写すことが出来ない、またボールを捕ったり投げたりする事がうまく出来ない。そしていすにじっと座っていられないなどがあります。運動機能の問題もありますが、それよりもクラス内での振る舞いの問題が最も大きな障害として表れるのです。授業の最中に頻繁に物を落としたり、他の子の机にぶつかったりと進行を妨げることが頻発します。クラスを移動する際にも、他の子供にぶつかったり、物につまずいたりとスムーズに動くことができません。さらにDCDの子は、計画を立てたり、物を整理したりなどが苦手なので、自分に与えられた課題を終了させることがなかなか出来ないのです。

動きすぎる関節(Hypermobile joint)

全人口の約20%方が関節がとても柔らかい-動きすぎる関節(Hypermobile joint)を持っていると言われていますが、コーディネーション発達障害の子供達は、この動きすぎる関節を持っている可能性が特に高いのです。この動きすぎる関節のために、新しい動きを学ぶ時に間違った覚え方をしてしまうことが多くなり、これがコーディネーション発達障害に繋がるのではないかとも言われています。動きのパターンをうまく覚えられなかったり、姿勢がうまく出来ないなどの弊害が起きるのです。また動きすぎる関節を持つ子は持久力が低いことも分かっています。つまり新しい動きを覚える前に疲れてしまい、しっかりと動きをマスター出来ないのです。しかしこの動きすぎる関節は、筋肉をうまくトレーニングする事により、改善できる可能性があります。

子供を見た時に「よく転ぶなあ」「あまり器用ではないけれども、そのうちによくなるだろう」と楽観視せずに、気になったら早期に専門家に相談をしてください。

2014年12月 23日更新

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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