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カイロプラクティックは面白い!

2020年 8月 17日更新

第95回 : ウイルスやガンと闘う!免疫機能

Illustration showing the various organs of the immune system. 図1 免疫機能が関係する臓器 画像出典: Health Direct - Immune System

免疫機能(Immune System)は、日々私たちが晒されている病気の元になる細菌を撃退し、病気にならないようにすることを第一の目標としています。

免疫は、ありとあらゆる外敵や病原菌から体を守っているわけですが、免疫がよく働いているときは、私たちは全く意識することなく過ごしてしまいます。一旦免疫がうまく働かなくなり、問題が出たときのみ、免疫機能を認識するようになります。

免疫の役割
  • 病原菌(バクテリア、ウイルス、寄生虫、カビ)などと闘いこれらを体外に追い出す。
  • 環境から来る汚染物を認識して中和します。
  • ガンなどの病気と闘います。
免疫の働き
  • 病原菌が体に入ったとき、Bセルが活性化され、これらの抗原に対して抗体を作ります。
  • 一度、抗原が作られると、同じ病原菌が体に入り込んだときは、この抗体が素早くこれらを攻撃や破壊することが可能になります。
  • Tセルは、抗体がターゲットとする病原菌を直接攻撃または破壊します。
  • 皮膚などのバリアー効果により、外敵の侵入を防きます。
  • 眼球や肺などは、粘膜に覆われており、これが病原菌などの侵入を防ぎます。
  • 汗や涙により外敵を洗い流します。
  • リンパにより、体液中の不要物を取り除いて、血液などの体液をきれいに保ちます。
免疫機能の種類

先天的免疫(Innate Immune System)、そして後天的免疫(Acquired Immune Reponses)の2種類があります。

先天的免疫

私たちが生まれるときに、すでに持っている免疫機能です。

  • あまり特化した機能ではなく、全体的な防御機能を持っています。
  • 先天的免疫は3つの要素を持っています。
    • 皮膚、粘膜などのような物理的、化学的なバリアー。
    • いろいろな種類の細胞。
  • 唾液や涙などに含まれる酵素。
  • 先天的免疫は、病原菌に含まれるたんぱく質を感知して対処、反応します。
後天的免疫
  • 1つ1つの病原菌に特化した反応をします。
  • 新しい病原菌に触れたときに免疫を作っていくので、常に変化しています。
  • TセルとBセルという細胞があります。
  • TセルとBセルというのは、リンパ細胞の1つで骨髄で作られます。
  • 病原菌の作るたんぱく質をBセルが感知して抗体を作り、これによって病原菌の破壊を促します、これらの抗体は1つの病原体に対応するために作られます。
  • TセルはBセルの指示を受けて、実際に病原菌を破壊します、ゆえにキラーTセルと呼ばれます。
  • Bセルが作る抗体は、多くの種類があり、これらを- Immunoglobulin(Ig)イミュノグロビュリン、免疫グロビュリンといいます。
    • IgG: 病原体を見つけてマークし、ほかの抗体が攻撃をしやすくする役目を持っています。
    • IgM: バクテリアを攻撃する抗体です。
    • IgA: 体液(唾液、涙)などに存在して、外敵への守りを固めます。
    • IgE: 寄生虫への守り、アレルギーを起こすのもこの抗体です。
    • IgD: 免疫の反応をスタートさせる手助けをします。
免疫機能強化
  • 健康的な生活習慣を心がけること。
  • 喫煙をしない。
  • 野菜やフルーツを多く摂取する。
  • 日常的にエクササイズをする。
  • 健康的な体重の維持。
  • 過度な飲酒をしない。
  • 適度な睡眠をとる。
  • ストレスを軽減する。
  • カイロプラクティクケアにより、大脳の活性化を図り体のストレスを減らしていく。

免疫機能は、大脳の支配を受けています。右脳は免疫が過剰に働かないようにするブレーキの役割を持ち、左脳は免疫機能を促進させる役割があります。もし、免疫機能が過剰に働いてしまったときは、過敏な反応が出るようになり、アレルギーなどを引き起こします。反対に、免疫があまり働かないと、カゼを引きやすくなったり病気にかかりやすくなります。

このバランスこそが、健康な体や免疫には、とても重要となります。

図2 免疫に関係する白血球(右下)
画像出典: Components of the Immune System - Figure2. Blood Cells

2020年 8月 17日更新

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

“Hiro Sugawara, D.C.”について詳しくはこちら。

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