Column

カイロプラクティックは面白い!

Updated on 2015/ 7/ 31

Vol.38 : 五感 - 嗅覚と味覚

画像元: www.Positivemed.com

人間には色々な感覚があります。その基本的なものが嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触覚という五感です。私たち機能神経科カイロプラクターは、外的刺激治療のみを行ないます。つまり、この五感と背骨、手足の関節の調整(アジャストメント)をして、脳を刺激し活性化することで、いろいろな症状を改善していきます。

今回は嗅覚を中心にお話していきますが、嗅覚と味覚は非常に結びつきが強いのです。

嗅覚と味覚は、化学的な感覚と言われ、食べ物やいろいろな物質に含まれる化学成分を、嗅覚器官と味覚器官が感知して味や匂いを認識します。嗅覚は12対(つい)ある脳神経の#1(Cranial Nerve 1)で、最も中心に近いところにあります。つまり一番古い脳神経という事です。この嗅覚神経が右から入った刺激は、右脳に入るようになります。ほかの11対の脳神経は、反対の脳に信号を送るのですが、嗅覚神経は例外なのです。

嗅覚は、空気中に漂う匂いの元の化学物質(Odorant)が鼻の中のてっぺんにある神経を刺激して、その信号が脳に入りその物質の匂いとして感知されます。匂いの元の化学物質(Odorant)が入るルートは2つあり、1つは鼻の穴からオドラントが直接入って嗅覚神経を刺激して匂いを感じるルート、2つ目は食べ物を咀嚼している時に、その食べ物の持っている匂いの成分がのどの奥から鼻の奥に到達して、嗅覚神経を刺激して匂いを感じるというルートがあります。味覚はさらに、共通化学感覚(Common Chemical Sense)の影響を受けて、さらに深みのある物になります。これは、目、口、のど、鼻にある神経が刺激を受けた時に起こることで、例えば、たまねぎの刺激臭で涙が出る事で味に鋭さが出る、メンソールのすーっとした感覚がのど、鼻、目感じられて風味が変わるなどという事です。

嗅覚の大事な役割には、危険を察知することがあります。例えば、ガス漏れの匂いや火事のときの煙の匂い、悪くなった食べ物の匂いを感知して、脳に警告を発し、自分の身を守る行動を起こすというとても大切な自己防衛システムなのです。

人間は30才から60才の間が一番嗅覚が鋭いと言われ、それ以降は下降線をたどります。統計では1%~2%のアメリカ人が、嗅覚の障害を訴えていると言われ、60才から69才の男性の約25%、そして女性の11%が嗅覚の問題を持っているそうです。

嗅覚障害の原因
  • 老齢化
  • 嗅覚神経へのダメージ
  • 喫煙
  • 頭へのケガ
  • ホルモンの障害
  • 歯科系の問題
  • 口腔内の感染症
  • 溶剤など有毒な化学物質への接触
  • ある種の薬物との接触
  • 首、頭への放射線治療
  • 副鼻洞(Sinus)の感染症
  • パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経障害
  • うつ病

50才を超えると嗅覚は衰えていきます。鼻の内側を覆う粘膜が薄くなって乾いてくる事により、匂いの化学物質を感じにくくなるためです。

記憶と匂いの関係
  • 記憶と匂いは強い結びつきにあることが分かっています。
  • 味覚障害はかなりの部分嗅覚障害から起因すると言われます。
  • 嗅覚の衰えが退化型の神経障害(パーキンソン症、アルズハイマー病)の初期症状と言われています。
  • 嗅覚の衰えが、後日退化型の神経障害を起こす確率が高いという研究結果もあるようです。
匂いの感じ方

人間は約1万種類の違った匂いを認識でき、また人それぞれ少しずつ匂いの感じ方が違うとも言われます。同じ匂いの元でも、人によって違う匂いになるということです。色々な要因が、匂いの感じ方を変えるのです。

  • 空腹時は匂いが強調されます。
  • 女性のほうが匂いに対しての感性は高いです。
  • 妊娠中の女性は感覚が鋭くなります。
  • 早朝は嗅覚が鈍く、日が進むにつれて鋭くなっていきます。

次回は味覚と嗅覚がどう影響しあって、強く関係しているかについて、詳しくお話いたします。

Updated on 2015/ 7/ 31

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Columnist's Profile

Chiropractic Functional Neurologist
Hiro Sugawara D.C.Hiro Sugawara, D.C.

空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。

Hiro Sugawara, D.C.

990 W Fremont Ave Ste M, Sunnyvale CA 94087

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