最新コラム
- 第147回 :
- ヤギや羊の乳でもアレルギーに?「ミルクアレルギー」とは
バックナンバー
- 第1回 :
- カイロプラクティックとは
- 第2回 :
- 成長のマイルストーン
- 第3回 :
- 右脳と左脳
- 第4回 :
- 脳の働き
- 第5回 :
- 脳の好き嫌いと機能低下したときの状態
- 第6回 :
- 成長障害に対する機能神経科カイロプラクティックの治療法
- 第7回 :
- ストレスって何?
- 第8回 :
- 自閉症スペクトラム障害
- 第9回 :
- 注意欠陥多動性障害 (Attention Deficit Hyperactivity Disorder, ADHD)
- 第10回 :
- 学習障害 (Learning Disability)
- 第11回 :
- 強迫反応障害 (OCD Obsessive Compulsive Disorder)
- 第12回 :
- バランス感覚障害
- 第13回 :
- めまい(Dizziness, Vertigo)
- 第14回 :
- てんかんと痙攣発作症状 (Epilepsy and Seizure)
- 第15回 :
- 脳震とう (Concussion) とスポーツ、セコンドインパクト症候群 (Second Impact Syndrome)
- 第16回 :
- 慢性疲労症候群 (Chronic Fatigue Syndrome, CFS)
- 第17回 :
- 脳性まひ
- 第18回 :
- 持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (前編)
- 第19回 :
- 持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (後編)
- 第20回 :
- 身体の成長 - 特に粗大な運動機能 (Gross Motor Skill) について
- 第21回 :
- 身体の成長 - 繊細な運動機能 (Fine Motor Skill)
- 第22回 :
- 身体の成長 - 言語 (Language) と話し方 (Speech)
- 第23回 :
- 身体の成長 - 認識力 (Cognitive) と感覚 (Sensory)
- 第24回 :
- 身体の成長 - 社会性 (Social) と感情 (Emotional)
- 第25回 :
- 身体の成長 - 知能の成長
- 第26回 :
- 身体の成長 - 聴力
- 第27回 :
- 身体の成長 - 読解力 (Reading)
- 第28回 :
- 身体の成長 - 免疫機能 (Immune System)
- 第29回 :
- 身体の成長 - 知能指数(IQ, Intelligence Quotient)と感情指数(EQ Emotional Intelligence)
- 第30回 :
- 身体の成長 - ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-Eye Coordination)
- 第31回 :
- 身体の成長 - コーディネーション発達障害 (Developmental Coordination Disorder)
- 第32回 :
- 身体、精神の成長 - 選択性緘黙症(Selective Mutism セレクティブミューティズム)
- 第33回 :
- 身体と精神の成長 - トゥレット症(Tourette Syndrome)
- 第34回 :
- 身体と精神の成長 - アスパーガー症(Asperger Syndrome)
- 第35回 :
- 身体精神の成長 - 広範囲の成長障害(PDD-NOS, Pervasive Development Disorder- Not Otherwise Specified)
- 第36回 :
- 身体、精神の成長 - 小児崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder)またはヘラー症候群(Heller's Syndrome)
- 第37回 :
- 身体と精神の成長 - 聴覚解析障害(Auditory Processing Disorder, APD)
- 第38回 :
- 五感 - 嗅覚と味覚
- 第39回 :
- 五感 - 味覚
- 第40回 :
- 五感 - 聴覚(Auditory System)
- 第41回 :
- 五感 - 視覚 ~前編~
- 第42回 :
- 五感 - 視覚 ~後編~
- 第43回 :
- 五感:触覚 ①痛みと温度感覚
- 第44回 :
- 五感:触覚 ②大雑把な触覚(Crude touch)、繊細な触覚(Fine touch)、振動(Vibration)、体の部分の位置感覚(Joint position)
- 第45回 :
- 脳神経(Cranial Nerve)Cranial Nerve #1(CN 1)嗅覚神経(Olfactory Nerve)
- 第46回 :
- 脳神経:第2番 視神経(Optic Nerve)
- 第47回 :
- 脳神経 第3番 眼動神経(Oculomotor Nerve, CN 3)
- 第48回 :
- 偏頭痛やむち打ちが原因で、物が二重に見える?
- 第49回 :
- 顔を触るだけで痛い? それ三叉神経異常かも?
- 第50回 :
- 味覚や聴力障害も引き起こす「顔面麻痺」
- 第51回 :
- 立っていられない!耳鳴りがする!バランスと聴力を支配する 脳神経8番 内耳神経(Vestibulocochlear Nerve)
- 第52回 :
- ”オエッ”とえずくのは健康な証拠!? 脳神経第9番 舌咽神経(Glossopharyngeal Nerve)
- 第53回 :
- ”放浪”しながら、カラダとココロを休める脳神経第10番 迷走神経(Vagus Nerve)
- 第54回 :
- 四十肩? その痛み脊髄副神経が原因かも!?脳神経第11番 脊髄副神経(Spinal Accessary Nerve)
- 第55回 :
- 言語や嚥下(えんげ)などを司る脳神経第12番:舌下神経(Hypoglossal Nerve)
- 第56回 :
- 戦う。逃げる。人類を繁栄させてきた~自律神経「交感神経」~
- 第57回 :
- 休む。消化する。体をリラックスさせる~自律神経「副交感神経」~
- 第58回 :
- 神経性膀胱症(Neurogenic Bladder)
- 第59回 :
- 脚の脱力感や痺れにご用心!末梢神経~大腿神経(Femoral Nerve)~
- 第60回 :
- お尻や脚に鋭い痛みが走る!つらい「坐骨神経痛」
- 第61回 :
- 息を吸うだけでイタタタタ!肋間筋肉・神経痛
- 第62回 :
- スポーツマンもオフィスワーカーも要注意!首、肩、腕の神経を圧迫する「腕神経叢(わんしんけいそう)」
- 第63回 :
- 指や手首を反らせることができない! 撓骨(とうこつ)神経障害
- 第64回 :
- 肩の痺れや脱力感を感じたら!腋窩(えきか)神経の損傷かも?
- 第65回 :
- 過度な筋トレにご注意! 肘や前腕をコントロールする筋皮神経
- 第66回 :
- 手が“ハサミ”のように変形する?尺骨神経の損傷
- 第67回 :
- 正中神経が引き起こす「指」「腕」「肩」の痺れにご注意
- 第68回 :
- “まぶたのぴくぴく” から冠状動脈痙攣まで。筋肉の痙攣
- 第69回 :
- 糖質制限する前に知っておきたい!GIとGLの違いとは
- 第70回 :
- テレビゲームでも乗り物酔いが起こる!?
- 第71回 :
- アメリカの健康保険について
- 第72回 :
- 交通事故の治療に不可欠な「自動車保険」について
- 第73回 :
- 子どもに多い斜視。脳の成長とともに解消することも。
- 第74回 :
- 寝違えも「斜頸」のひとつ!異変を感じたら早めの診察を。
- 第75回 :
- 旨みの素!MSGの隠れた問題とは
- 第76回 :
- 百害あって一利なし!人工トランス脂肪酸
- 第77回 :
- グルテンが引き起こすさまざまな病気
- 第78回 :
- ガムでお馴染み。キシリトールのメリット・デメリット
- 第79回 :
- 肩がポキポキと鳴る?それ関節炎かも。
- 第80回 :
- 悪化すると歩行困難に!股関節の関節炎
- 第81回 :
- 40%は遺伝が原因?「関節変形性乾癬(かんせん)」
- 第82回 :
- 12時間痛みが続くことも!痛風とは
- 第83回 :
- 腰痛から目の疾患まで引き起こす「強直性関節炎」とは?
- 第84回 :
- 感染症のあとに併発する「反応性関節炎」とは?
- 第85回 :
- 生後6カ月を過ぎた“モロ反射”の弊害とは?
- 第86回 :
- 大人に悪影響を及ぼす“強直性迷路反射”とは?
- 第87回 :
- 「はいはい期」まで残っていたら注意!「非対称強直性頸反射」
- 第88回 :
- リューマチと並び、最も多い「変形性関節炎」とは
- 第89回 :
- 女性患者は男性の2~3倍!リューマチ性関節炎
- 第90回 :
- 16歳以下の子どもがかかるリューマチ病
- 第91回 :
- バクテリアで発症!敗血症性関節炎
- 第92回 :
- 手や足のちくちく感に要注意!
- 第93回 :
- 24時間営業!身体の解毒作用とは
- 第94回 :
- 気になる“まぶた”のピクピク!ほかの病気の兆候かも?
- 第95回 :
- ウイルスやガンと闘う!免疫機能
- 第96回 :
- 骨の成長や骨密度維持に欠かせない!「カルシウム」
- 第97回 :
- 野菜をたっぷり摂って、カリウム不足解消!
- 第98回 :
- 体に不可欠なミネラル。成長や細胞修理を促す「リン」とは
- 第99回 :
- 体に不可欠なミネラル2。解毒作用や代謝を促す「イオウ」とは
- 第100回 :
- 高齢者の認識機能維持にも有効な「鉄分」
- 第101回 :
- 甲状腺ホルモンを作るミネラル。「ヨウ素」の摂取量や欠乏症状は?
- 第102回 :
- 風邪の治りが3割も早くなる!? 必須ミネラル「亜鉛」とは
- 第103回 :
- 体を形成する「マグネシウム」。食生活によっては不足する場合も!
- 第104回 :
- 脳機能向上や心臓病予防に効果!「セレニウム」とは
- 第105回 :
- インシュリン機能を高める「クロム」とは
- 第106回 :
- 必須アミノ酸①「記憶や学習に関与するフェニールアラニン」
- 第107回 :
- 必須アミノ酸②「アスリートの強い味方。筋肉の代謝や回復を調整するバリン」
- 第108回 :
- 必須アミノ酸③「美容に欠かせない!コラーゲンの素を生成するスレオニン」
- 第109回 :
- 必須アミノ酸④「快感ホルモン“セラトニン”を作るトリプトファン」
- 第110回 :
- 必須アミノ酸⑤ 抗酸化作用や代謝促進など、マルチに活躍する物質「メサイオニン」
- 第111回 :
- 必須アミノ酸⑥質の良い筋肉を作る「リューシン」
- 第112回 :
- 必須アミノ酸⑦筋肉の疲労回復やアンモニアを解毒する「アイソリューシン」
- 第113回 :
- 必須アミノ酸⑧ケガや術後の回復をサポートするライシン
- 第114回 :
- 必須アミノ酸⑨貧血や関節痛に効果のある「ヒスティディン」
- 第115回 :
- 一度発症すると再発の可能性大!「口唇ヘルペス」
- 第116回 :
- 「セサモイド」:腱の中にできるゴマ粒上の小さな骨
- 第117回 :
- セサモイドの炎症
- 第118回 :
- セサモイド骨最大級!「パテラ」とは
- 第119回 :
- 「O脚」の原因や症状、治療法について
- 第120回 :
- 「X脚」の原因や症状、治療法について
- 第121回 :
- 心臓病や卒中の原因に!高コレステロールについて
- 第122回 :
- “サイレントキラー” 高血圧とは
- 第123回 :
- 脚のしびれや排尿問題を引き起こす「馬尾症候群」
- 第124回 :
- 「リーキーガット症候群」とは
- 第125回 :
- 最大ゴルフボール級に!「腎臓結石」とは
- 第126回 :
- 女性の罹患率は男性の2倍!「胆のう結石」とは?
- 第127回 :
- 昼間の異常な眠気は病気かも?「睡眠発作」とは
- 第128回 :
- 疲労感や気分の浮き沈みの原因に。「睡眠無呼吸症」とは
- 第129回 :
- 髪の毛をとかす時に肩が痛い…。「ローテーター・カフ筋肉痛症候群」とは
- 第130回 :
- スマホやコンピューターも原因に。「アッパークロス症候群」
- 第131回 :
- 長時間の座り仕事には要注意!ローワークロス症候群とは
- 第132回 :
- 運動後に頭が痛くなる人必読!「エクササイズ頭痛」とは
- 第133回 :
- 歩行に障害が出ることも。気になる「浮腫」
- 第134回 :
- 足をひきずるように歩く。それ「フットドロップ」かも?
- 第135回 :
- 女性に多い「ドライアイ」。妊娠や閉経で症状が出ることも
- 第136回 :
- 虫歯や歯周病の原因にも。「ドライマウス」に注意!
- 第137回 :
- 脳や脊髄が原因で起こると危険!「咳頭痛とは」
- 第138回 :
- その偏頭痛、実は「副鼻腔頭痛」の可能性も!
- 第139回 :
- げっぷやおなら。痛みがある場合は要注意!
- 第140回 :
- 胸やけが1週間続いたら、診察を
- 第141回 :
- 無痛分娩が原因? 「脊椎頭痛」とは
- 第142回 :
- あなどるなかれ。「しゃっくり」の危険因子
- 第143回 :
- まるでカミナリ!一瞬で起こる激しい頭痛とは
- 第144回 :
- 子どもの病気トップ5に入る「頭痛」
- 第145回 :
- 子どもの「つま先歩き」。2歳以降は注意を!
- 第146回 :
- 「卵アレルギー」。タンパク質の種類によって対策も変わる
- 第147回 :
- ヤギや羊の乳でもアレルギーに?「ミルクアレルギー」とは
カイロプラクティックは面白い!
カイロプラクティックはとても面白い、皆さんへお伝えしたいその不思議と魅力
第44回 : 五感:触覚 ②大雑把な触覚(Crude touch)、繊細な触覚(Fine touch)、振動(Vibration)、体の部分の位置感覚(Joint position)
痛み温度の感覚は、口径が小さく伝達速度の遅い神経を使い伝達しますが、触る感覚は、大きい口径の伝達速度のとても速い神経で伝達されます。大きい口径の神経は伝達速度がとても早く、この神経が感覚を伝えてしまうことで痛みの感覚をブロックしてしまうということは、前回でお話いたしました(ペインゲート説)。しかし、神経をダメージする病気になりますと、口径の大きい神経から壊れていきます。例えば、多発性硬化症(Multiple Sclerosis)にかかると、神経を包んでいるマイアリン(Myelin)が破壊されて、伝達機能に障害が出て感覚がおかしくなり、最後には神経が機能しなくなってしまいます。皮膚は外界の環境から体を守る役割を果たしています。触覚の神経はこの皮膚にセンサーがあり、外の環境を感じることによって、体を取り巻く環境からのいろいろな情報を得ることができ、脳が外の環境に正しく対応できるのです。
触覚には大きく4種類のセンサーがあります。
- 機械的なセンサー(Mechanoreceptor)
- 熱センサー(Thermoreceptors)
- 痛みセンサー(Pain Receptors)
- 固有感覚センサー(Proprioceptors)
このなかで、2と3については、前回ご説明しているので、今回は1と4のセンサーにフォーカスしていきます。
機械的なセンサーは、圧力、物の肌理、振動をを感知します。このセンサーは、毛髪のない皮膚(手のひら、唇、舌、足の底、指先、まぶた、顔)に存在しています。このセンサーには適応性の早い(Fast Adapting)と適応性の遅い(Slow Adapting)の2種類があり、早いほうは何か物が肌に触れた時、何かが触れたという情報をすぐに脳に送る役目をしています。そして遅いセンサーは、物が触れたときどれくらいの圧力で触れているか、どれくらいの時間触れているかを脳に伝えます。皮膚はこの両方のセンサーを持っていますので、物が皮膚に触れたことをすぐ感知でき、どれくらいの時間触れていたかを感じることができます。機械的なセンサーはさらに、振動が関節、骨に伝わることを感知でき、体の動きを外環境とあわせて考えられるようになり、体を動かしたり運動をする時や歩く時に、動きをスムーズにできる助けをします。
触覚には、繊細な触覚(Fine Touch)と大雑把な触覚(Crude Touch)があり、前者は触られたこと感じ、さらにどこを触られたかを場所を感知して、その情報を脳に伝えます。その上、2点違うところを触られた時に、その2点を2つの違った点として認識できるので、物の大きさなどを判断できるのです。後者は刺激を与えられた時、触られたという認識をします。またどこを触られたかという認識は繊細な触覚が行なう役割です。
固有感覚センサーは、体のいろいろな部分が、環境に対してどのような位置関係になっているか教えてくれるという役目を果たします。このセンサーは、腱、筋肉、じん帯に存在し、筋肉が動きにより長さを変えた時、その時にかかる筋肉への緊張度を感知し、それぞれの体の部分の位置を伝えてくれます。それにより物を正確に掴んだり、食べ物をきちんと口に持っていったり、ボールを投げるなどの行為が無意識に、正確にできるようになります。暗闇で自分の体の部分がどこにあるかを正確に脳に伝え、バランスをとるようにするのも大事な役割です。つまりセンサーが狂ってしまうことで、バランス感覚にも大きな問題が出ることになります。
筋肉内にあるセンサーは、マッスルスピンドル(Muscle Spindle)と言い、とてもたくさん存在しています。マッスルスピンドルは、筋肉がどれくらいの長さに、またはどのくらいの速度で伸ばされたかを感じ取り脳に伝えます。重力からの力を感じ取り、姿勢を真っ直ぐに保つ役割をも果たします。体を動かすということは、このマッスルスピンドルを刺激しており、ここから脳に大量の信号が送られ、成長期には脳の発達を促進することになります。もちろん成人しても体を動かすことで、マッスルスピンドルから信号が多く脳へ送られ、脳の活性化に繋がります。
もう一つはゴルジテンドンオルガン(Golgi Tendon Organ)と言い、これは筋肉と腱の境辺りに存在して、関節がどれくらい曲がっているか、腱にどれくらいのストレッチがかかっているかをモニターしています。両方のセンサーは。体のための防御システムとしての役割も果たしています。あまり早く筋肉や腱が伸ばされたとき、これらに損傷が出ないように反応を促す大事な機能なのです。
年齢とともに、触覚の感度や明瞭度も衰えてしまいます。それが脳にいろいろと影響を与えることになります。脳は、30歳代から100歳代までに大体200gほど小さくなります。特に60歳から70歳代にこれは急加速します。この退化は、脳神経細胞の減少により起こると考えられています。研究によりますと、老齢の方々は年齢の若い方々よりも、機械的な刺激(機械的な刺激、振動)に対して鈍くなっているという結果が出ています。振動感覚は、特に年齢とともに落ちていくようで、65歳以降に特に退化が激しくなります。振動感覚、空間感覚の明瞭度(Spatial Acuity)の退化は、話し言葉の明瞭度に影響を与えるようです。年齢により空間感覚の明瞭度が落ち、指の力の弱くなり、手の運動機能も多少退化してくるので、物を掴めなかったり、落としてしまったりということが増えます。またバランス感覚も空間感覚の明瞭度が落ち、振動感覚などの感覚が退化していきます。このように、感覚の退化は多くの問題を年齢と共に起こします。
2016年 2月 26日更新
Columnist's Profile
- Chiropractic Functional NeurologistHiro Sugawara D.C.(Hiro Sugawara, D.C.)
空手や棒術などの武道に打ち込む中、少林寺拳法の整体に興味を持ち、それがきっかけになりカイロプラクティックを知り渡米。1990年に Palmer - Westカイロプラクティック大学を卒業、学位を取得、92年 Sunnyvale に開業現在に至る。94年には、公認スポーツカイロプラクター資格を取得、95年より2000年母校 Palmer - West大学にて講師を務める。98年より Chiropractic Neurology の勉強を始め神経科カイロプラクティックの知識を深め、さらに、平衡感覚リハビリテーション講座、交通事故のスペシャリストとしての Auto Safety Trainer講座、機能神経科としての Developmental Disorder Specialty (発達障害児講座) 等数々の講座を終了。現在も Mountain View のシニアセンターやPHP (Parent Help Parent) にてセミナーを行いながら更なるカイロプラクティックの知識と技術向上に努めています。
バックナンバー
BACK ISSUES- 第1回 : カイロプラクティックとは
- 第2回 : 成長のマイルストーン
- 第3回 : 右脳と左脳
- 第4回 : 脳の働き
- 第5回 : 脳の好き嫌いと機能低下したときの状態
- 第6回 : 成長障害に対する機能神経科カイロプラクティックの治療法
- 第7回 : ストレスって何?
- 第8回 : 自閉症スペクトラム障害
- 第9回 : 注意欠陥多動性障害 (Attention Deficit Hyperactivity Disorder, ADHD)
- 第10回 : 学習障害 (Learning Disability)
- 第11回 : 強迫反応障害 (OCD Obsessive Compulsive Disorder)
- 第12回 : バランス感覚障害
- 第13回 : めまい(Dizziness, Vertigo)
- 第14回 : てんかんと痙攣発作症状 (Epilepsy and Seizure)
- 第15回 : 脳震とう (Concussion) とスポーツ、セコンドインパクト症候群 (Second Impact Syndrome)
- 第16回 : 慢性疲労症候群 (Chronic Fatigue Syndrome, CFS)
- 第17回 : 脳性まひ
- 第18回 : 持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (前編)
- 第19回 : 持続する原始反射 (Primitive Reflexes) と脳の成長障害の関係 (後編)
- 第20回 : 身体の成長 - 特に粗大な運動機能 (Gross Motor Skill) について
- 第21回 : 身体の成長 - 繊細な運動機能 (Fine Motor Skill)
- 第22回 : 身体の成長 - 言語 (Language) と話し方 (Speech)
- 第23回 : 身体の成長 - 認識力 (Cognitive) と感覚 (Sensory)
- 第24回 : 身体の成長 - 社会性 (Social) と感情 (Emotional)
- 第25回 : 身体の成長 - 知能の成長
- 第26回 : 身体の成長 - 聴力
- 第27回 : 身体の成長 - 読解力 (Reading)
- 第28回 : 身体の成長 - 免疫機能 (Immune System)
- 第29回 : 身体の成長 - 知能指数(IQ, Intelligence Quotient)と感情指数(EQ Emotional Intelligence)
- 第30回 : 身体の成長 - ハンド・アイ・コーディネーション(Hand-Eye Coordination)
- 第31回 : 身体の成長 - コーディネーション発達障害 (Developmental Coordination Disorder)
- 第32回 : 身体、精神の成長 - 選択性緘黙症(Selective Mutism セレクティブミューティズム)
- 第33回 : 身体と精神の成長 - トゥレット症(Tourette Syndrome)
- 第34回 : 身体と精神の成長 - アスパーガー症(Asperger Syndrome)
- 第35回 : 身体精神の成長 - 広範囲の成長障害(PDD-NOS, Pervasive Development Disorder- Not Otherwise Specified)
- 第36回 : 身体、精神の成長 - 小児崩壊性障害(Childhood Disintegrative Disorder)またはヘラー症候群(Heller's Syndrome)
- 第37回 : 身体と精神の成長 - 聴覚解析障害(Auditory Processing Disorder, APD)
- 第38回 : 五感 - 嗅覚と味覚
- 第39回 : 五感 - 味覚
- 第40回 : 五感 - 聴覚(Auditory System)
- 第41回 : 五感 - 視覚 ~前編~
- 第42回 : 五感 - 視覚 ~後編~
- 第43回 : 五感:触覚 ①痛みと温度感覚
- 第44回 : 五感:触覚 ②大雑把な触覚(Crude touch)、繊細な触覚(Fine touch)、振動(Vibration)、体の部分の位置感覚(Joint position)
- 第45回 : 脳神経(Cranial Nerve)Cranial Nerve #1(CN 1)嗅覚神経(Olfactory Nerve)
- 第46回 : 脳神経:第2番 視神経(Optic Nerve)
- 第47回 : 脳神経 第3番 眼動神経(Oculomotor Nerve, CN 3)
- 第48回 : 偏頭痛やむち打ちが原因で、物が二重に見える?
- 第49回 : 顔を触るだけで痛い? それ三叉神経異常かも?
- 第50回 : 味覚や聴力障害も引き起こす「顔面麻痺」
- 第51回 : 立っていられない!耳鳴りがする!バランスと聴力を支配する 脳神経8番 内耳神経(Vestibulocochlear Nerve)
- 第52回 : ”オエッ”とえずくのは健康な証拠!? 脳神経第9番 舌咽神経(Glossopharyngeal Nerve)
- 第53回 : ”放浪”しながら、カラダとココロを休める脳神経第10番 迷走神経(Vagus Nerve)
- 第54回 : 四十肩? その痛み脊髄副神経が原因かも!?脳神経第11番 脊髄副神経(Spinal Accessary Nerve)
- 第55回 : 言語や嚥下(えんげ)などを司る脳神経第12番:舌下神経(Hypoglossal Nerve)
- 第56回 : 戦う。逃げる。人類を繁栄させてきた~自律神経「交感神経」~
- 第57回 : 休む。消化する。体をリラックスさせる~自律神経「副交感神経」~
- 第58回 : 神経性膀胱症(Neurogenic Bladder)
- 第59回 : 脚の脱力感や痺れにご用心!末梢神経~大腿神経(Femoral Nerve)~
- 第60回 : お尻や脚に鋭い痛みが走る!つらい「坐骨神経痛」
- 第61回 : 息を吸うだけでイタタタタ!肋間筋肉・神経痛
- 第62回 : スポーツマンもオフィスワーカーも要注意!首、肩、腕の神経を圧迫する「腕神経叢(わんしんけいそう)」
- 第63回 : 指や手首を反らせることができない! 撓骨(とうこつ)神経障害
- 第64回 : 肩の痺れや脱力感を感じたら!腋窩(えきか)神経の損傷かも?
- 第65回 : 過度な筋トレにご注意! 肘や前腕をコントロールする筋皮神経
- 第66回 : 手が“ハサミ”のように変形する?尺骨神経の損傷
- 第67回 : 正中神経が引き起こす「指」「腕」「肩」の痺れにご注意
- 第68回 : “まぶたのぴくぴく” から冠状動脈痙攣まで。筋肉の痙攣
- 第69回 : 糖質制限する前に知っておきたい!GIとGLの違いとは
- 第70回 : テレビゲームでも乗り物酔いが起こる!?
- 第71回 : アメリカの健康保険について
- 第72回 : 交通事故の治療に不可欠な「自動車保険」について
- 第73回 : 子どもに多い斜視。脳の成長とともに解消することも。
- 第74回 : 寝違えも「斜頸」のひとつ!異変を感じたら早めの診察を。
- 第75回 : 旨みの素!MSGの隠れた問題とは
- 第76回 : 百害あって一利なし!人工トランス脂肪酸
- 第77回 : グルテンが引き起こすさまざまな病気
- 第78回 : ガムでお馴染み。キシリトールのメリット・デメリット
- 第79回 : 肩がポキポキと鳴る?それ関節炎かも。
- 第80回 : 悪化すると歩行困難に!股関節の関節炎
- 第81回 : 40%は遺伝が原因?「関節変形性乾癬(かんせん)」
- 第82回 : 12時間痛みが続くことも!痛風とは
- 第83回 : 腰痛から目の疾患まで引き起こす「強直性関節炎」とは?
- 第84回 : 感染症のあとに併発する「反応性関節炎」とは?
- 第85回 : 生後6カ月を過ぎた“モロ反射”の弊害とは?
- 第86回 : 大人に悪影響を及ぼす“強直性迷路反射”とは?
- 第87回 : 「はいはい期」まで残っていたら注意!「非対称強直性頸反射」
- 第88回 : リューマチと並び、最も多い「変形性関節炎」とは
- 第89回 : 女性患者は男性の2~3倍!リューマチ性関節炎
- 第90回 : 16歳以下の子どもがかかるリューマチ病
- 第91回 : バクテリアで発症!敗血症性関節炎
- 第92回 : 手や足のちくちく感に要注意!
- 第93回 : 24時間営業!身体の解毒作用とは
- 第94回 : 気になる“まぶた”のピクピク!ほかの病気の兆候かも?
- 第95回 : ウイルスやガンと闘う!免疫機能
- 第96回 : 骨の成長や骨密度維持に欠かせない!「カルシウム」
- 第97回 : 野菜をたっぷり摂って、カリウム不足解消!
- 第98回 : 体に不可欠なミネラル。成長や細胞修理を促す「リン」とは
- 第99回 : 体に不可欠なミネラル2。解毒作用や代謝を促す「イオウ」とは
- 第100回 : 高齢者の認識機能維持にも有効な「鉄分」
- 第101回 : 甲状腺ホルモンを作るミネラル。「ヨウ素」の摂取量や欠乏症状は?
- 第102回 : 風邪の治りが3割も早くなる!? 必須ミネラル「亜鉛」とは
- 第103回 : 体を形成する「マグネシウム」。食生活によっては不足する場合も!
- 第104回 : 脳機能向上や心臓病予防に効果!「セレニウム」とは
- 第105回 : インシュリン機能を高める「クロム」とは
- 第106回 : 必須アミノ酸①「記憶や学習に関与するフェニールアラニン」
- 第107回 : 必須アミノ酸②「アスリートの強い味方。筋肉の代謝や回復を調整するバリン」
- 第108回 : 必須アミノ酸③「美容に欠かせない!コラーゲンの素を生成するスレオニン」
- 第109回 : 必須アミノ酸④「快感ホルモン“セラトニン”を作るトリプトファン」
- 第110回 : 必須アミノ酸⑤ 抗酸化作用や代謝促進など、マルチに活躍する物質「メサイオニン」
- 第111回 : 必須アミノ酸⑥質の良い筋肉を作る「リューシン」
- 第112回 : 必須アミノ酸⑦筋肉の疲労回復やアンモニアを解毒する「アイソリューシン」
- 第113回 : 必須アミノ酸⑧ケガや術後の回復をサポートするライシン
- 第114回 : 必須アミノ酸⑨貧血や関節痛に効果のある「ヒスティディン」
- 第115回 : 一度発症すると再発の可能性大!「口唇ヘルペス」
- 第116回 : 「セサモイド」:腱の中にできるゴマ粒上の小さな骨
- 第117回 : セサモイドの炎症
- 第118回 : セサモイド骨最大級!「パテラ」とは
- 第119回 : 「O脚」の原因や症状、治療法について
- 第120回 : 「X脚」の原因や症状、治療法について
- 第121回 : 心臓病や卒中の原因に!高コレステロールについて
- 第122回 : “サイレントキラー” 高血圧とは
- 第123回 : 脚のしびれや排尿問題を引き起こす「馬尾症候群」
- 第124回 : 「リーキーガット症候群」とは
- 第125回 : 最大ゴルフボール級に!「腎臓結石」とは
- 第126回 : 女性の罹患率は男性の2倍!「胆のう結石」とは?
- 第127回 : 昼間の異常な眠気は病気かも?「睡眠発作」とは
- 第128回 : 疲労感や気分の浮き沈みの原因に。「睡眠無呼吸症」とは
- 第129回 : 髪の毛をとかす時に肩が痛い…。「ローテーター・カフ筋肉痛症候群」とは
- 第130回 : スマホやコンピューターも原因に。「アッパークロス症候群」
- 第131回 : 長時間の座り仕事には要注意!ローワークロス症候群とは
- 第132回 : 運動後に頭が痛くなる人必読!「エクササイズ頭痛」とは
- 第133回 : 歩行に障害が出ることも。気になる「浮腫」
- 第134回 : 足をひきずるように歩く。それ「フットドロップ」かも?
- 第135回 : 女性に多い「ドライアイ」。妊娠や閉経で症状が出ることも
- 第136回 : 虫歯や歯周病の原因にも。「ドライマウス」に注意!
- 第137回 : 脳や脊髄が原因で起こると危険!「咳頭痛とは」
- 第138回 : その偏頭痛、実は「副鼻腔頭痛」の可能性も!
- 第139回 : げっぷやおなら。痛みがある場合は要注意!
- 第140回 : 胸やけが1週間続いたら、診察を
- 第141回 : 無痛分娩が原因? 「脊椎頭痛」とは
- 第142回 : あなどるなかれ。「しゃっくり」の危険因子
- 第143回 : まるでカミナリ!一瞬で起こる激しい頭痛とは
- 第144回 : 子どもの病気トップ5に入る「頭痛」
- 第145回 : 子どもの「つま先歩き」。2歳以降は注意を!
- 第146回 : 「卵アレルギー」。タンパク質の種類によって対策も変わる
- 第147回 : ヤギや羊の乳でもアレルギーに?「ミルクアレルギー」とは