心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話

心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。

2021年12月 27日更新

第4回 : ネガティブな感情をどう扱うか。健康的に手放す3つの方法とは?

前回のコラム「第3回:『怒り』や『悲しみ』を無視しない。ネガティブな感情って何?」では、ネガティブな感情を持つことは、人として健康的であるとお伝えしました。湧き上がってくるネガティブな感情を心にため込んでしまうと、メンタル、体、そして人間関係にも影響が出てしまいます。だからといって、その感情をそのまま外に吐き出してもよいというわけではありません。

では、ネガティブな感情をどう扱えばよいのでしょうか。以下に、自分の中にたまった感情を、健康的に手放す方法をご説明します。

ネガティブな感情を吐き出したい!健康的に手放す3つの方法
1. ノートに書き出す

ノートを用意し、そこに湧き上がってくる思いを全て書き出す作業です。「会社に行きたくない」「上司にムカついている」「予定している面接が怖い」など、とにかくありとあらゆるネガティブな感情をそのまま書き出してみましょう。全て出し切ったら(書き出したら)、そのページを細かく破って捨ててください。これは、今自分が持っている感情をノートに移し(吐き出す)、破り捨てる(手放す)という作業です。とてもシンプルな方法ですが気軽にできてとても良い方法です。

2. クッションに吐き出す

柔らかいクッションに顔を埋めて「バカヤロー!」「お前なんか嫌いだー!」と口で出して言ってみましょう。悪口でも悪態でも何でもOKです。ため込んでいる感情を言葉にして出すことが大切なのです。実際にこれをやった後は、気持ちが楽になっているのを実感できると思います。感情と体はつながっているので効果があるといえます。体を使う方法としては、エクササイズもお勧めです。こちらはクッションのように声に出す必要はありません。ジムに行ってダンベルを上げながらムカつく上司へのネガティブな感情を吐き出す。トレッドミルで走りながら思いを吐き出すといった方法です。

3. 瞑想で吐き出す

瞑想にもさまざま種類があります。簡単な方法としては、目を瞑って、頭上や部屋の隅などに円形や四角形の空間を作り、そこにネガティブな感情を吸引させるというものがあります。掃除機のように何でも吸いこんでくれるスペースと言えばよいでしょうか。そのスペースに向かって、自分のため込んでいるネガティブな感情を全て吐き出し吸い取ってもらうイメージをしてみてください。

上記の方法は、いずれも簡単で今日からできるものばかりです。自宅など一人で過ごせる空間で、きちんと時間を取ってやることがとても重要です。最初は面倒くさい、恥ずかしいと思うかもしれませんが、まずはできそうな方法を試してみましょう。ちなみに、日本人は左脳を使って感情を抑えてる人が多いと言われています。自分の言いたいことを堪え、感情をため込んでいるなと思ったらすぐに吐き出すようにしましょう。放っておくと、うつや不安障害を引き起こすこともあります。

やってはいけない。不健康なネガティブ感情の手放し方

先に挙げた以外にも、感情の手放し方にはいろんな方法があります。人は「お酒を飲む」「たばこを吸う」「薬物に手を出す」「ギャンブルをする」などでも感情を吐き出しています。しかし、これらは依存性が強く、心身にも悪い影響があるためお勧めできません。他にも、「人と話をする」という方法があります。友達に不満や愚痴、悪口などをいうとすっきりした経験がありませんか?けれど、不満などを聞かされている方はストレスに感じたり、その内容が周囲に伝わってしまう恐れもあるので注意しましょう。

ネガティブな感情とコミュニケーション
怒りの根底にある感情に気付き、相手に本当の気持ちを伝えよう

ネガティブな感情が生まれた時、周囲に当たり散らすようでは、人と上手にコミュニケーションを取れているとは言えません。特に男性に多いのですが、怒った時に論理的に相手を追い詰めてしまう人がいます。それでは本当の気持ちを理解してもらうことは難しいでしょう。上手く相手に伝えるには「私は今、あなたがこうやったことに対して怒っている」と、自分の感情を口に出して伝えてみることです。これはとても簡単なようにみえるのですが、いざやってみようとするとうまくできない人が多いので、意図して練習する必要があります。

(例) 父親が、夜中の1時に帰宅した年頃の娘に怒りをぶつけるケース

娘の顔を見るなり「どこ行ってたんだ!」と怒鳴り散らし、最悪手が出てしまうかもしれません。実は、この時父親の心の根底にあるのは「不安」や「心配」です。それを素直に表現することが大切です。「お前を心配していた」「何かあったのか」ときちんと口に出して伝えてみましょう。本当の感情をコミュニケーションを通じて表現できるかどうかが鍵となってきます。

上記は、ネガティブな感情を吐き出す手立てになると思いますが、つらいときは、一人で苦しまずに、心理カウンセリングやセラピーを受けてもよいと思います。

2021年12月 27日更新

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CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。

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