インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー International Lifecycle Family Therapy Inc. info@internationallifecycle.com

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第30回 : 
心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どものトラブル。お母さんが過剰に反応していませんか?~

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第1回 : 
自分軸で生きよう!あなたに関わる大切なポイントを知る
第2回 : 
自分の心を知る。気持ち・感情・思考の観察のチェックポイント
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「怒り」や「悲しみ」を無視しない ネガティブな感情って何?
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ネガティブな感情をどう扱うか。健康的に手放す3つの方法とは?
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被害者意識の人間関係って?その1
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被害者意識の人間関係って?その2
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~あなたはどんな「メンタルの選択」をしていますか?
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「うつ」と「不安」の原因 ~外的要因について~
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「うつ」と「不安」の原因 ~内的要因について~
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トラウマについて
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トラウマの治療
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2023年はメンタルケアから。良好なメンタルヘルスを維持するポイント
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依存症とは① ~脳と依存の関係~
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依存症とは② ~タバコから処方箋まで。薬物依存~
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依存症とは③ ~コントロール不能で依存に。インターネットから恋愛まで~
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依存症とは④ 治療法「セルフケア」
第22回 : 
依存症とは⑤ 治療法「ソーシャルサポート」
第23回 : 
マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(1)
第24回 : 
マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(2)「マインドセットを変える方法10 前編」
第25回 : 
マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(3)「マインドセットを変える方法10 後編」
第26回 : 
マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(4)最終回「マインドセットと生きる意味について」
第27回 : 
子育てに悩んでいるアナタへ① ~子どもの発達を知る
第28回 : 
子育てに悩んでいるアナタへ② ~効果的なコミュニケーションとは
第29回 : 
心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どもとうまくコミュニケーションを取るには~
第30回 : 
心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どものトラブル。お母さんが過剰に反応していませんか?~

心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話

心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。

2022年10月 31日更新

第14回 : 「うつ」と「不安」の原因 ~内的要因について~

第13回「『うつ』と『不安』の原因 ~外的要因について~」で、うつと不安を引き起こす2つの原因のうち、外的要因についてご説明致しました。今回のコラムでは内的要因についてお伝えします。
内的要因について

外的要因が政治や経済、文化、人間関係、仕事、情報など幅広い分野にわたっているのに比べ、内的要因は「自分(あなた)」だけです。物事や状況をどういう風にとらえるか、どう対応するか、行動するかは人それぞれ違います。また同じ人でも、問題の大きさによってふんばれる時もあれば、あきらめてしまう時もあるでしょう。つまり自分の中で「不安」は小さくなったり大きくなったりします。

メンタルヘルスにおいては、外的要因よりもこの内的要因の方が重要です。また「認知の歪み(Cognitive Distortion)」は、極端な考え方(白か黒かはっきり区別を付ける)や見方(小さなことを大きくとらえる)をしてしまう思考パターンで、これがあるとネガティブな考えや感情を強化されてしまいます。

負の三角関係とは

「思考(考え方)」「感情(喜怒哀楽)」「行動」はそれぞれつながっています(以下の例を参照)。

例:「朝、時間通りに起きることができない」場合

思考
  • 「朝起きれずに遅刻することが多い。どうしよう」
  • 「会社をクビになるかも」
  • 「体調が悪いのかもしれない。深刻な病気かも」
感情
  • 「イライラする」
  • 「嫌だ」
  • 「心配だ」
行動
  • 「1時間早く寝る」
  • 「目覚ましを2つ使う」
  • 「モーニングコールを利用する」

特に、思考と感情が直結しているのが分かると思います。問題を解決するためにどう行動するかは人によりますが、ネガティブな方向に向くと「一睡もしない」「起こしてくれない家族に八つ当たりする」「仕事を辞める」などという心身の健康を損なったり人間関係や人生に悪い影響を与えたりするような行動を取る可能性があります。

コロナ禍では、景気後退や失業など外的要因が大きくなっていますが、それに加えて自分がそれらをどう受け取るかといった内的要因が、さらに「うつ」や「不安」を助長させているといえるでしょう。

対策 ~今日からできること~

政治や文化などコントロールできないことが多い外的要因と異なり、内的要因は自分の考え方を変えるだけで、感情や行動が大きく変わる可能性があります。

1. 物事を冷静に見る/とらえる

ネガティブな考えが膨らみ頭がパンク状態になったら、一度そこから離れてください。散歩をしたり音楽を聴いたりなど、体を動かすとなお効果的です。いったん落ち着くだけで、物事を冷静に見たりとらえたりできるのを実感できると思います。

2. 書き出す/マインドフルネス

自分の頭の中でいったい何が起こっているのか。どんな気持ちになったのか、どんな感情が湧き上がっているのかなど、ノートに書き出してみてください(スマホやパソコンを利用するのもよいと思います)。自分の考えや感情を外に出すことで分析し冷静になることができます。マインドフルネスとは、今、まさに自分に起こっていることを五感を使って観察する行為で、書き出すと同じように自分の考えや気持ちに気付いたり分析したりすることができます。これらの方法は外的要因の対策としても有効です。

3. 友人や専門家に共有する

1人で抱えこまず、友人に自分の考えを伝え、認知の歪みがないかどうかすりあわせてみましょう。ときには専門家の助けを借りることも大切です。この方法は外的要因の対策としても有効です。

4. 分析する

内的要因を分析するのは決して容易ではありません。特に嫌なことが起きると自分でもいったいどんな「思考」や「感情」を持っているのかよく分からなくなることがあります。そんなときは自分がどんな行動を取っているかを観察してみるとよいでしょう。例えば、嫌なことをしてきた相手と口喧嘩になった、机を叩いたなどの行動から、自分が「怒っている、イライラしている」ことが分かります。「思考」「感情」「行動」を分析することで、自分の考え方のクセや認知の歪みなどを理解することにつながります。

上記は、内省する際に役に立つポイントになると思いますが、悩みや不安にさいなまれつらいときは、一人で苦しまずに、心理カウンセリングやセラピーを受けてもよいと思います。

2022年10月 31日更新

皆さんのご意見、ご相談等ございましたら以下までご連絡ください。

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Columnist's Profile

インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー(International Lifecycle Family Therapy Inc.)

CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。Youtube「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」にて心にまつわるビデオ公開中。

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