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Vol.34 : update
心理セラピストが回答!「カップルカウンセリングとは」夫婦で問題に向き合う機会を設ける

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自分軸で生きよう!あなたに関わる大切なポイントを知る
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自分の心を知る。気持ち・感情・思考の観察のチェックポイント
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「怒り」や「悲しみ」を無視しない ネガティブな感情って何?
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子育てに悩んでいるアナタへ① ~子どもの発達を知る
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子育てに悩んでいるアナタへ② ~効果的なコミュニケーションとは
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心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どもとうまくコミュニケーションを取るには~
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心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~お父さんとお母さんの意見の相違が、子どもを苦しめる
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心理セラピストが回答!「働きざかりの男性の不安障害」自分の心に向き合う。セラピーも検討を
Vol.34 : 
心理セラピストが回答!「カップルカウンセリングとは」夫婦で問題に向き合う機会を設ける

心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話

心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。

Updated on 2024/ 6/ 30

Vol.34 : 心理セラピストが回答!「カップルカウンセリングとは」夫婦で問題に向き合う機会を設ける

カリフォルニア州で活動する心理療法士が、メンタルヘルスに関するご質問に回答します。
Q

結婚して10年以上たつ夫婦です。数年前に夫の仕事の関係で渡米したのですが、日本にいる時よりも夫婦間の言い争いが増えました。けんかの原因は、主に子どもの教育や生活のことなどです。夫ときちんと話をしたいのですが、真剣に向き合ってくれません。そんな折、悩みを相談していた友人からカップルカウンセリングを勧められました。これまでセラピーなどを受けた経験もないので不安です。

A
夫婦で問題解決に臨む「カップルカウンセリング」

ご質問者さまは、日本にいる時に比べてご主人との言い争いが増えたということですが、言葉や文化の違うアメリカでの生活も外的要因の一つになっているかもしれません。子育てに関する心配や生活面での不安といったものを、ご主人に伝えようとしても聞いてもらえないというのはつらいものですよね。日本に住んでいれば、1人でどこかに出掛けるなど気晴らしできる機会もたくさんあるのに、アメリカでは小さいお子さんを家に置いて出掛けることもできないといった事情もあるでしょう。このような状況下で輪をかけて窮屈に感じ、孤立感にさいなまれたり、不安が増幅したりするケースもあります。

アメリカでは、結婚生活で何か問題が起こった際、「カップルカウンセリング(カップルセッション)」を受ける夫婦も多いです。残念ながら日本では個人のセラピーも、アメリカほど一般的ではないので、夫婦となると敷居が高いと感じる人も多いと思います。

カップルカウンセリングのキーになるのは、夫婦で受けること。場合によっては1人ずつセラピーを受ける場合もありますが、基本的に夫婦が協力し合って進めます。年代によってもセラピーに対するイメージは大きく変わりますが、ことに日本人男性にとって来院するのはなかなかハードルが高いもの。「第33回:働きざかりの男性の不安障害」についてご説明しましたが、セラピーに恥や罪悪感を持つ人も多いです。しかも、個人ではなく夫婦で受けるのですから、奥様の前で心の内をさらけ出すことに抵抗を感じる人も少なくないでしょう。いきなり夫婦で来院するのは難しいというのであれば、Zoomなどでカウンセリングを行うことも可能です。まずは夫婦とセラピストで話すという体験を重ね、少しずつ進めていけばよいかと思います。

夫婦が折り合う中間地点を探す

「カップルカウンセリング」」において、最も大きな障害となるのは、「相手が変わってくれたら」という期待です。うまくいっていない夫婦は、「俺が正しい」「私が正しい」、要するに「相手が悪い」と思っています。その結果、相手に(自分が望むように)変わってほしいという期待が生まれてしまいます。このマインドセットこそ、変える必要があるのです。人は本能的に相手から攻撃されると守りに入ります。これは肉体だけではなく、精神やコミュニケーションにおいても同様で、相手から「口撃」されれば言い返します。これによって互いを傷つけ、結果的には会話がなくなってしまうこともあるのです。

セラピーでは問題解決に向けて「コンフリクト・リゾルーション(対立解決)」という方法も取り入れています。具体的には、相手を責めるのではなく、「私はこう思っている、こうなったらうれしいな」と伝えることです。同意できない場合も、お互いの中間点を探し、新しい解決策を見つけていく方法です。「カップルカウンセリング」は長い場合で1年ほどかかることもあります。また、妻または夫だけが継続するケースもあります。

問題解決が早い夫婦の特徴は、自分たちのコミュニケーションのパターンが分かり意識的に変わっていくこと。アメリカでの生活はストレスも多いですが、互いに協力し合うことで夫婦関係がうまくいく場合もあります。夫婦という名の“チーム”で協同するという見方ができるようになると、関係は大きく良い方向に変化していきます。

昔に比べると、セラピーに対する抵抗は薄れつつあります。Zoomや電話などのカウンセリングもあるので、夫婦間の悩みや不安を抱えてつらいときは、1人で苦しまずにサポートを受けてみてくださいね。

Updated on 2024/ 6/ 30

皆さんのご意見、ご相談等ございましたら以下までご連絡ください。

info@internationallifecycle.com

Columnist's Profile

インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー(International Lifecycle Family Therapy Inc.)

CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。Youtube「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」にて心にまつわるビデオ公開中。

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