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- 自分軸で生きよう!あなたに関わる大切なポイントを知る
- Vol.2 :
- 自分の心を知る。気持ち・感情・思考の観察のチェックポイント
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- 「怒り」や「悲しみ」を無視しない ネガティブな感情って何?
- Vol.4 :
- ネガティブな感情をどう扱うか。健康的に手放す3つの方法とは?
- Vol.5 :
- 被害者意識の人間関係って?その1
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- ~あなたはどんな「メンタルの選択」をしていますか?
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- メンタルヘルスにおいて重要な「自分との約束」
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- Vol.18 :
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- Vol.20 :
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- マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(1)
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- マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(2)「マインドセットを変える方法10 前編」
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- 子育てに悩んでいるアナタへ① ~子どもの発達を知る
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- 心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どもとうまくコミュニケーションを取るには~
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心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話
心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。
Vol.3 : 「怒り」や「悲しみ」を無視しない ネガティブな感情って何?
アメリカではサンクスギビングデー(感謝祭)を皮切りに、ホリデーシーズンが始まります。にぎやかで心躍る季節ですが、むしろ気分が落ち込み「シーズナル・ディプレッション」と呼ばれる状態になる人もいます。これは気候などの環境が関係することもあり、私が住んでいるカリフォルニア州は年間を通して気候が良いのですが、同じ西海岸でもワシントン州やオレゴン州は曇りや雨も多く、ふさぎ込んだり焦燥感を感じたりと、いわゆるネガティブな感情を引き起こす要因になることもあります。このように人の心は、環境に左右されることもあるのです(参照「第1回 : 自分軸で生きよう!あなたに関わる大切なポイントを知る」
今回のコラムでは、この「ネガティブな感情」にフォーカスを当てようと思います。元来、日本人は、感情よりも思考が先立つ傾向があります。つまり、何かいやなことがあっても、知識や経験を基に考えをめぐらせてしまい、その結果、自分の気持ちや感情がはっきり分からなくなってしまうのです。さらに文化的な背景もあり、そもそもネガティブな感情を持ってはいけないと思っている人がとても多いのです。また、ポジティブ思考ばかりがもてはやされている傾向があります。もちろん、うれしい、楽しいといったポジティブな感情を感じることはとても素晴らしいことなのですが、ネガティブな感情を出してはいけないというわけではありません。ネガティブな感情を無視したり抑え込んだりしていると、かえって心にストッパーが掛かり「私だけが幸せになってはいけない」といった思いが噴出し、さらにネガティブ思考に拍車を掛けてしまうことがあるのです。
怒りにはいくつかの段階があります。
- 第1段階「いらいらする」 「カチンとくる」
- ↓
- 第2段階「頭にくる」 「ムカつく」
- ↓
- 第3段階「切れる」 「爆発する」
まず、自分がどの段階にいるのかを確認しましょう。次に、自分の心の奥にある感情に焦点を当ててみましょう。実は、人間は本当の気持ちを隠すために怒ることが多いのです。悲しみに暮れるよりも、不安にかられるよりも、怒っている方が楽なのです。あなたの心の奥には何がありますか?
「友達の言葉で傷ついた」「失恋した」「大切な人を失った(亡くなった)」という具合に、悲しいという気持ちは人間関係が原因で生まれることが多いです。子どもの場合は、ご両親が話を聞いて気持ちをくみ取ってあげるのが理想的です。大人の場合は、友人など信頼できる人に電話でもよいので話をしてみることをお勧めします。くれぐれも自分で抱え込み、悲しみという感情に蓋をしてしまわないようにしましょう。
太古から人は恐れや不安を抱くことで、自然や動物などによる脅威から身を守ってきました。つまり、恐れや不安を持つことは、人間の脳の機能の一つで、健全な証拠なのです。ですから自然なことなのだと、あえて意識してみてください。ただし、過多になってしまうと問題です。特に不安は、不安が不安を呼び、最悪の場合パニックを引き起こすこともあると理解しておきましょう。現代では、親子関係が原因で恐れや不安にさいなまれることが多いです。
他人との距離と取るような状況を表す孤立とは異なり、孤独は「さみしい」「ひとりぼっち」という感覚です。コロナ禍で孤独感を感じる人がますます増えています。人は社会的な動物です。「ひとりぼっち」になれば「さみしい」と感じるのは当然のことといえます。しかし、1人で過ごす時間には自分と向き合うメリットもあります。
「恐れ」や「不安」と同様に、親子関係が原因であることが多いです。日本をはじめ、中国、韓国、インドなどのアジア圏は、教育システムや文化的な要因もあって、幼少期に他人と比較されることが多いため、嫉妬の感情にとらわれやすいと言えます。「うらやましい」「ねたましい」といった嫉妬の感情は、誰かと比較した時に湧き上がってくるものです。「子どもの頃に、親から他の子どもと比較されたことはありませんか?なぜ嫉妬を感じているのか、自分の心を探ってみましょう。
「恥」は、ネガティブな感情を扱う上で重要なテーマで、特に日本人のメンタルヘルスに大きく影響しています。日本は「恥」の文化と言われ、個人だけでなく家族や会社にまで及びます。一方、アメリカでは、「恥」は個人が感じるものです。そして、「恥」も、前述の「恐れ」「嫉妬」と同じように、親の影響を多大に受けている場合が多いです。幼い頃に親から「お前はできない」「何をやってもだめだ」と言われて育つと、大人になっても自分を肯定できなくなり悩んでいる人は多いと思います。
上記でご紹介したようなネガティブな感情は、誰もが持って当たり前なのです。問題は、それをどう扱うかということです。次回は、ネガティブな感情の取り扱い方についてご説明します。
Updated on 2021/11/ 30
皆さんのご意見、ご相談等ございましたら以下までご連絡ください。
Columnist's Profile
- インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー(International Lifecycle Family Therapy Inc.)
CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。Youtube「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」にて心にまつわるビデオ公開中。
International Lifecycle Family Therapy Inc.
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- 408-800-5366
- FAX:
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- info@internationallifecycle.com
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