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2024年を終える前に。やり残したことは、心の中で「完了」すればそれでOK

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マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(3)「マインドセットを変える方法10 後編」
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マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(4)最終回「マインドセットと生きる意味について」
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子育てに悩んでいるアナタへ① ~子どもの発達を知る
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心理セラピストが回答!「子育てQ&A」~子どもとうまくコミュニケーションを取るには~
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心理セラピストが回答!「働きざかりの男性の不安障害」自分の心に向き合う。セラピーも検討を
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心理セラピストが回答!「カップルカウンセリングとは」夫婦で問題に向き合う機会を設ける
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リスクがあってもやめられない。SNSとメンタルの関係
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楽しい季節がうつを助長する!? 「ホリデーブルー」とは
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2024年を終える前に。やり残したことは、心の中で「完了」すればそれでOK

心のケアと癒しに役立つ臨床心理のここだけのお話

心理カウンセリングやセラピーをしている中で、心の悩み、成長、癒しに関するいろんなトピックが出てきます。このコラムの中でその事をより多くの方にシェアして、皆様のお役に立てれればと思っております。

Updated on 2023/ 3/ 28

Vol.19 : 依存症とは② ~タバコから処方箋まで。薬物依存~

メンタルヘルスにおける「依存(アディクション)」は、不安やうつなどの障害を引き起こす要因になったり、悪化させたりすることがあります。現代は依存も多様化しており、自覚がないままいつの間にか依存状態になっていることもあります。依存のメカニズムや種類、治療法などについてシリーズでお届けします。

薬物は身近に存在している!?

前回のコラムでは「脳と依存の関係」についてお話しました。今回は少し重たいテーマですが、依存の中でも深刻な影響がある薬物依存についてご説明したいと思います。実は昨年、SNSで(日本に住む)日本人を対象に「依存症」をテーマにしたプレゼンテーションを行いました。さまざまな依存症についてご説明したのですが、特に薬物依存は大きな反響があり、日本でも関心を持つ方が増えていると感じました。

薬物と聞くと、一般的にマリファナやコカインといったものを思い浮かべる方が多いと思うのですが、簡単に言えば「体に刺激を与えるもの」。つまり、タバコやお酒など、脳や体に刺激を与えるものは全て薬物の定義に入ります。薬物は意外にも日常生活にあふれているのです。アメリカでは、カリフォルニアを含むいくつかの州で、娯楽目的のマリファナの購入・使用・吸引などが認められているので、マリファナも身近な薬物の一つと言えるでしょう(合法の州でも、日本国民はマリファナの購入や使用は認められず処罰の対象です)。

しかし近年、アメリカではマリファナなどよりも、問題になっている薬物があります。それはオピオイドという痛みなどを緩和する鎮静剤です。医師の処方箋ですが、麻薬系の鎮静剤で多幸感や抗不安作用もあり、依存性が強いのが特徴です。ケガなどで処方されたのを機に依存してしまう人も多く、少量で心臓が止まってしまうほど強力です。過剰摂取によって亡くなる人が後を絶たず、社会問題になっています。

薬物の種類
  • タバコ
  • 処方箋 (オピオイド系の鎮静剤や「ザナックス」などの抗不安剤)
  • マジックマッシュルーム (麻薬成分が入ったキノコ)
  • コカイン、覚せい剤、スピードなど ※アッパー系と呼ばれ、気分を上げる
  • ヘロイン、モルヒネ、マリファナ(CBD)など ※ダウナー系と呼ばれ、気分を静めたり多幸感を与えたりする
止められない! 快感を求める脳

脳も快楽を促す神経伝達物質を出していますが、薬物は脳よりもたくさんこれらの物質を出すことができます。中でもコカインなどのアッパー系と呼ばれる薬物は、尋常でない量のドーパミン(達成感をもたらす神経伝達物質)を出すので、快感が強く依存してしまうようになります。薬物が切れてしまうと、脳や体が我慢できなくなり禁断症状を引き起こします。この禁断症状がとてもつらいので、再度薬物に手を出してしまうのです。前回のコラムでも説明しましたが、人間の脳は快感を求め嫌なことを逃れたい、という特性があるので、薬物にハマると抜け出すのは容易ではありません。

しかし、身近な薬物の中にも、常習性が高く止めるのに非常に困難なものがあります。それはタバコです。ニコチンなどの物質は比較的早く体内から出てしまうので、すぐ欲しくなってしまうのです。簡単に手に入れることができるのも、タバコを止めるのが難しい原因の一つと言えます。

コカインや覚せい剤などには縁がないと思っていても、タバコ、お酒、鎮静剤などは身近にあり、使用することがあるかもしれません。薬物依存の恐ろしさは、知らないうちにその摂取量が増えているかもしれないということ。人間の体には耐性(Tolerance)があり、繰り返して使用していると体が慣れてしまい、結果使用量が増えていきます。この量が許容量を超えてしまうと過剰摂取になり、時には死にいたることもあるのです。これは全ての薬物に言えることです。

ちなみに、薬物を使用している時は、脳の理性を司る部分が麻痺しているので、記憶がなかったりきちんと話の内容を理解できないといったことが起こります。お酒を飲んでいる人が話を覚えていなかったりするのが良い例でしょう。また、薬物を手に入れるために嘘をついたり人を傷つけたりすることもあり、人間関係や社会生活にも支障をきたすことが多々あります。

次回は、ゲーム、ギャンブル、買い物など、薬物以外の依存症についてご説明いたします。

依存症に関する問題を抱えている場合は、一人で苦しまずに、心理カウンセリングやセラピーを受けてもよいと思います。

Updated on 2023/ 3/ 28

皆さんのご意見、ご相談等ございましたら以下までご連絡ください。

info@internationallifecycle.com

Columnist's Profile

インターナショナル ライフサイクル ファミリーセラピー(International Lifecycle Family Therapy Inc.)

CA州心理士免許(LMFT)と博士号を持つ経験豊かな2人のセラピストによる心理カウンセリングオフィス。多くの方々のより良い心の健康を目指し、個人、カップル、家族の心理セラピー/カウンセリングを日本語および英語で提供している。仁科盛次郎(心理療法士、LMFT#50945)および菱谷有希子(心理療法士、LMFT#53262)はCA州公認のマリッジファミリーセラピストで、専門は家族・カップル間のコミュニケーション、異文化や多文化における問題、思春期における心理やアイデンティティ問題、薬物依存治療など。多種多様な家族療法を取り入れたアプローチや、物の見方を変え解決方法の発見へと導くアプローチ、催眠療法などの潜在意識セラピーを提供。また、両者ともに移民難民、性犯罪にかかわる青少年更生、薬物リハビリテーション施設での経験を持つ。大学院講師としての活動及び後輩育成にも精力的に取り組んでいる。Youtube「カリフォルニアから心の癒しチャンネル」にて心にまつわるビデオ公開中。

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