小児科臨床の四季

小児医業は、四季を通じ色々な病気に立ち会う。春は花粉によるアレルギー、そして秋から初冬にはインフルエンザ。子供達の病気を看るのは大変だが、それなりの楽しみがある。お母さま達の心の休みとなれば幸い。

2019年 8月 13日更新

第15回 : 子どもの発育 ~3つの分野のマイルストーン~

子どもの発育を検討するに当たり、大まかに3つの分野で説明します。

身体の発育

子どもは、出生から2歳まで急速に発育します。平均して生後5~6カ月の間に、体重が2倍に増えますが、その後少し緩やかな増加傾向に移ります。4~5カ月には寝返り動作を始めます。赤ん坊をベッドやソファーの上に置いた時、うっかり目を離すと赤ん坊が転がり落ちることが多いので要注意です。6カ月頃にはお座りができるようになります。7~8カ月には、ハイハイを始めます。9カ月で1人で立つようになり、11カ月頃にはつたい歩き、そして1歳の誕生日には1人で歩くようになるのが普通です。ただし、これははあくまでも平均で、もちろん個人差があります。3~4歳頃になると、ありあまるエネルギーを使って、活発な運動をするようになり、5歳を過ぎると、いろいろな競技にも参加できるようになります。

精神的発育

精神的発育は、脳神経細胞の発達と密接に関係しています。脳神経細胞は外的刺激に強く影響されますが、特に乳幼児期には母親からの刺激が大切です。2カ月頃には、クウクウと声を出し、3~4カ月では、あやすと笑うようにもなります。早ければ、6~7カ月で人見知りが始まって、親と他人との認知ができるようになります。

言葉の発達には、多少個人差がありますが、2語以上話せるようになるのは、通常女の子で18カ月、男の子で20カ月程度です。一般的には、これより6カ月以上遅れると、言葉の発育障害が疑われます。言葉の発育遅延には、単純に言葉の発育だけの問題でなく、精神発育障害の一環として現れてくることが多いので、慎重に観察診断する必要があります。

感情の発達

2歳頃になると、多くの子どもは誇りや当惑といった自意識感情を経験として覚えるようになります。この頃の子どもは、自分の感情を十分にコントロールできずに、頻回に癇癪発作を起こすことがありますが、そのうちに精神的に成熟していくと、自らのネガティブな感情をもっと効果的にコントロールできるようになります。

閑話休題
脳神経細胞の可塑性について

人間の発育で一番劇的なのは、脳神経細胞の発育です。脳神経細胞そのものの数は、2~3歳頃で最高に達しますが、その後は細胞間の連絡網がどんどん増えていきます。この連絡網の発展をもたらす因子が外的刺激なのです。脳神経細胞、ことに海馬と言われる記憶中枢の細胞は、いろいろな刺激に対して大変敏感に反応して機能が上がることが知られています。このような生理的な現象を可塑性(Plasticity)といいます。

2019年 8月 13日更新

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Columnist's Profile

吉田小児科院院長Takashi Yoshida(Yoshida Pediatrics 吉田小児医院)

北海道出身。北海道大学卒業。大学院での研修終了後渡米。主に基礎医学の研修に18年間携わる。そのうち2年間はNIH(National Institute of Health)フェローとしてイギリスに留学。ケンブリッジ、オックスフォード大学では基礎生化学の研修を行う。1972年より小児臨床に転向。ノースウェスタンおよびスタンフォード大学で小児レジデンスの研修を終え、1976年より当地で開業、現在に至る。小児臨床では、新生児から18歳まで健康診断および一般小児の病気を対象に診療にあたっている。患者層は日本人のみならず世界各国からの子供も多く、殊にラテン系の子供にはスペイン語で話しかけるのが楽しみ。毎週5日と第1、第3土曜日は半日診療を行っているほか、緊急の場合は必ず当日に受付診療しているので心配はなし。泣いて入ってくる子共が、帰る頃には笑い声を立てているのが第一の楽しみ。また体を鍛える目的で、毎日曜早朝9ホールのゴルフ廻りをしている。その他は読書や囲碁を自分流で楽しみながら続けている。

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