マインドとは、意識や気持ちです。人はマインドセット、つまり考え方や心の持ちようで、思考や感情、行動が変わってきます。前回のコラム「マインドセットが全て ~人生を変えたいアナタへ~(1)」では、あなたの思考に影響を及ぼすマインドセットについて、そして潜在意識下にある自分のマインドセットを確認する方法をご説明しました。
ネガティブでいる方が快適!?
ネガティブな思考や感情にとらわれ、行動にもそれが現れてくると、人間関係や仕事もうまくいかないことが多いと思います。このままではいけない、ポジティブに考えてみようと思っても、長年染みついたネガティブなマインドセットを急に変えることはとても難しいです。これはあなたの努力が足りないからというわけではありません。実は脳科学的な理由があるのです。
脳には、ある意識や感情、行動などが習慣化してしまうと、それを何度も繰り返すことで神経経路が太くなっていくという特性があります。これには良い・悪いという区別はなく、例えばネガティブな意識や感情、行動をリピートすると、その神経回路が太くなり定着していきます。そしてやっかいなことに、脳はいったんシステムが出来上がってしまうと、それをとても快適だと感じてしまうのです。要するに、ネガティブな神経回路が習慣化し定着している脳にすれば、全く異なるポジティブな意識はむしろとても不快で、いきなりそれを変えようとすると猛烈に抵抗します。ネガティブな人が急にポジティブに変われないのは、こういった理由があるのです。
マインドセットを変えるには
1) 過去のマインドセットの見直し
過去のネガティブな思考パターンを振り返り、それが本当に自分にとってどんな結果をもたらしたのかを思い出し、客観的に捉えてみてください。潜在意識下にあるあなたのマインドセットを探ってみましょう。
例)以前は新しい挑戦に対して自信がなく、自分はできないと思っていた。しかし、そのマインドセットによって何も試さずに機会を逃してしまったことに気付いた。他にもさまざまな過去の経験を振り返り、自分が本当にできる可能性を制限していたことが分かった。
2) イメージを活用する
アクティブイマジネーションを使って、新しいマインドセットに沿った行動や経験をイメージしてください。これはマインドをセットする上で最も大切な方法です。イメージをするというのは人間だけが持つ素晴らしい能力なのですが、多くの場合、ネガティブな方向に働くことが多いです。しかし、ポジティブな方向に向かえば、行動が具体化し、これまでとは違う体験ができます。
例)将来の目標を達成した姿を瞑想でイメージすることで、その姿を実現するために何をすべきか具体的に考えるようになった。
3)ポジティブな意味付けをする
ネガティブな経験をポジティブな意味で捉えることで、成長や学びの機会として受け入れることができます。この意味付けによって、マインドセットがポジティブに変わります。
例)仕事のプロジェクトがうまくいかなかったが、その失敗から新たなアイデアや改善点を見つけるようにしてみた。以前に比べて同じ課題に対して前向きなアプローチができるようになり、成果が出るようになった。
4)フォーカスを変える
同じ行動でも、マインドセットによって違った体験をすることができます。どうやったら楽しくできるか、成功の可能性を探るフォーカスに変えることで、新たな視点から物事を捉えることができます。
例)仕事に対して不安を感じていたが、大好きなゲーム感覚で、楽しさや達成感にフォーカスするようにした。同じ仕事でもストレスが減り、楽しく取り組めるようになり、新しいアイデアや解決策が浮かびやすくなった。
5)「What if (もしも)」の考え方
ネガティブな未来予想をするのではなく、もし成功したらどうなるか、良い結果が得られることにフォーカスすることで、前向きなマインドセットを養います。
例)将来のキャリアに対して不安を感じていたが、「もし成功したらどんな素晴らしいチャンスが待っているだろう」と考えるようになったら、やる気が増し、前向きなステップを踏み出す自信がついた。
マインドセットを変えることは決して簡単ではありませんが、継続的な努力とポジティブな意識を持つことで、新たな可能性を開拓し、より充実した人生を築くことができると思います。
次回のコラムでは「マインドセットを変える方法10 後編」をお届けします。
ネガティブな感情で苦しい時は、一人で悩まずに、心理カウンセリングやセラピーを受けてもよいと思います。