小児科臨床の四季

小児医業は、四季を通じ色々な病気に立ち会う。春は花粉によるアレルギー、そして秋から初冬にはインフルエンザ。子供達の病気を看るのは大変だが、それなりの楽しみがある。お母さま達の心の休みとなれば幸い。

2018年12月 21日更新

第8回 : マインドフルネス その1

最近、たびたびマインドフルネスという言葉を見たり聞いたりします。例えば、マインドフル教育法、マインドフル育児法、マインドフルベースのストレス治療法など、いろいろな分野でマインドフルという言葉が使われています。マインドフルネスには適当な直訳語がありませんが、日本マインドフルネス学会では次のように定義しています。

マインドフルネスとは

今、この体験に意図的に意識を向け、評価せずに、とらわれのない状態で、ただ観ること。

もともと、マインドフルネスのあり方は、仏教の教えに由来し、禅の修行によってもたらせられる無念無想の状態が、人々を諸々の雑念から解脱させ、健康な平常心を保つことができるというのとよく似ていますが、それだけでなく無心の状態である中で、積極的に五感をフルに使って、今自分の周りに起こっている万象を意識しながらも、それらを批判せずにそのまま受け入れて自らの体験とするのです。そうすることによって、いろいろな過去のしがらみや、ネガティブな思考から解放され、現在と将来に向かってポジティブな生き方ができるようになるのです。

マインドフルネスは、ちょっと気休めや試しのつもりでやっても、良い効果は期待できません。いったん決めたら、それなりの実践の訓練が大切です。実践の方法にはいくつかありますが、今回は2つの例を挙げてみましょう。

  1. 五感で感じるさまざまなことを自分の言葉で言い直してみる。例えば「空が見えます」「鳥がさえずっています」「手が冷たいです」などと口ずさんでいると、その時までとらわれていた雑念やネガティブ思考から解放され、今ここにいる意識を取り戻すことができます。
  2. 不安を感じている時、その原因をあえて理解しようとしたり評価したりしないで、そのまま心の中に受け入れ、その不安なるものとの対話を試みる。「不安さん、どうして私のところにやって来ているの?

と尋ねてみるのも良いでしょう。すぐには答えが返って来ないかもしれないけれど、その内に不安と仲良くなって気分転換できるでしょう。

このように、マインドフルネスなあり方を実践すると、次第に “QUALITY OF LIFE” を向上させることができるばかりでなく、いろいろな社会生活の問題に遭遇した時の対応に役立つようになるでしょう。

次回は、どんな領域でマインドフルネスの実践が活用されているかについてご紹介します。

2018年12月 21日更新

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Columnist's Profile

吉田小児科院院長Takashi Yoshida(Yoshida Pediatrics 吉田小児医院)

北海道出身。北海道大学卒業。大学院での研修終了後渡米。主に基礎医学の研修に18年間携わる。そのうち2年間はNIH(National Institute of Health)フェローとしてイギリスに留学。ケンブリッジ、オックスフォード大学では基礎生化学の研修を行う。1972年より小児臨床に転向。ノースウェスタンおよびスタンフォード大学で小児レジデンスの研修を終え、1976年より当地で開業、現在に至る。小児臨床では、新生児から18歳まで健康診断および一般小児の病気を対象に診療にあたっている。患者層は日本人のみならず世界各国からの子供も多く、殊にラテン系の子供にはスペイン語で話しかけるのが楽しみ。毎週5日と第1、第3土曜日は半日診療を行っているほか、緊急の場合は必ず当日に受付診療しているので心配はなし。泣いて入ってくる子共が、帰る頃には笑い声を立てているのが第一の楽しみ。また体を鍛える目的で、毎日曜早朝9ホールのゴルフ廻りをしている。その他は読書や囲碁を自分流で楽しみながら続けている。朝のテレビドラマ『マッサン』がお気に入りで、殊に北海道の余市でのウイスキー造りの話が昔懐かしくて楽しみ。

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